実演鑑賞
満足度★★★★
松本光生編「幽霊」といえるが、むしろ原作のエッセンスを凝縮したような台本・演出になっていて、偽善や欺瞞、狡猾さ、身勝手さの表現は全体的に抑制され(省略され)、古い因襲など個人を縛る諸々からの自由というイプセンの本質的なところにより注意が向けられているように感じられた。牧師との会話中、未亡人がオスヴァルとレギーネの関係を自由を理由に容認するかのようなことを一瞬言ったように聞こえたが(はっきり覚えていない)、だとすれば原作よりさらに踏み込んでいるのかもしれない。それにしても、普遍的な作品というものは時代や国を問わず通用するものだな(翻訳や演出次第なのかもしれないが)とあらためて気付かされる。