実演鑑賞
満足度★★★★★
久々に遊戯空間の芝居空間をがっつり食らった。テキストの文体が何とも味わいがあって大変好み。言葉の文体は「芝居の文体」にも正しく変換され、昭和初期だろうか噺家・句楽を取り巻く者たちの会話や、再現される逸話が洒脱で泥臭くて、演者の佇まいも昭和の調度、着物、江戸口調とも相俟って只々小気味良い。
文学としての戯曲の魅力を放つ近代古典に通じるものがある(小山内薫の「息子」とか、真船豊作品、三好十郎の台詞にも)。
パンフによれば原典は吉井勇の<戯曲>との事。件の落語家を主人公とした一連の作品を篠本氏が構成したものらしい。
こんな作品があったとは、少なからず新鮮な風に思わずむせた。