XXXX(王国を脅かした悪霊の名前) 公演情報 お布団「XXXX(王国を脅かした悪霊の名前)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い。この劇団?の一見思想理念先行・ハイアートな構えに比してのこの「物語性」は・・何だなんだ?? 実に饒舌に物語るではないか・・と少々驚いた。もっとも最初にアゴラ劇場で観たお布団も「物語っ」てはいたが、「仮説の実践」的雰囲気があった。
    「マクベス」とあるからその翻案ないしは新解釈的な、スピンオフ的な芝居であろうとは予想したが、ここまで話を作り上げますか・・という。
    今回は観ておこうと思っていたが、どうにか観られて良かった。青年団俳優にも久々にお目に掛かれて良かった。

    後でパンフを見ると、今回は娯楽性高い物語叙述を試みた、という趣旨の主宰のコメントがあった。作者の意図どおりの結果だったという訳だが、普通にストーリーテリングで勝負する土俵での演劇を、暫くは続けてみてよろしいのでは、と思った次第。

    ネタバレBOX

    森の奥に棲むマクベスの末裔(男)を女優が演じるが、少し前に父を失い、長らく仕えた婆やも役目を解いて一人暮らし。そこへ、良家の嫁に収まる事を望まれる事に反発ばかりしている名家の娘マーゴが、母が冗談で言った皮肉を言質に「精神病み」と噂の男の元に「嫁いで来る」と家を出てこの地を訪ねて来る。マクベスは広い屋敷だ好きな部屋を使いなさいと言い、自分は夜寝るのが遅いから本を読んでいる、先に寝てくれ寛大な対応。マーゴは中性性の漂う自分に型を押し付ける事のないマクベスと、性愛を入口としない自然な関心から情愛を芽生えさせ、紐帯を育む様が短いシーンの中で明快に描かれる。ここへやって来る「外部」が王宮の者たち。明らかに異質な価値観の侵入である。革命分子が地方でのろしを上げ弱体化する専制体制が窮余の策として「魔術」に着目し、つてを辿ってマクベス宅のある森に王と臣下らが(お忍びで)やって来るのだが、ここで「マクベス」の顛末をなぞるような展開が待っている。
    (またいずれ物語を思い出しつつ書いてみる。)

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    2025/03/16 02:20

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