実演鑑賞
満足度★★★★★
行方不明でになった同級生の「ちぃちゃん」が白骨死体で見つかった――。
「ハッピーケーキ・イン・ザ・スカイ」というタイトルとパステルカラーが印象的なフライヤーのビジュアルからはちょっと想像しづらい、でもそのギャップに惹かれる人も多いのでは。
「ちぃちゃん」と仲の良かった友達、が働く夜のお店、「ちぃちゃん」が好きだったアイドル、事件をきっかけに興味を持った映画監督志望の同級生、事件の真実を明らかにして社会に問題提起しようとする記者……。
群像劇ということで登場人物も9名と多く、ただその誰もが自分の考え方や人生を持っていることがひしひしと伝わってきます。
劇団の紹介にある、『悲劇の押し付けではなく、事実を演劇というエンターテインメントで包み込む糖衣錠のような作風』という表現がまさにしっくりきます。
観終わった後、打ちひしがれてしまって立ち上がれず思わずため息が出てしまうような、帰り道でも登場人物の一言一言が胸に刺さって溶けないような、良質な苦しみと優しさを存分に味わえる作品です。
最後までストーリーを知った上で、「もう一回最初から観たい!」と思わせてくれる作品でもあります。
テーマやストーリーもさることながら、舞台美術のかわいらしさや見せ方の工夫、劇中で出てくるアイドルの歌やダンスのクオリティも高く、上演時間の2時間弱もあっという間でした。
Corich舞台芸術まつり!2025春の最終選考作品にも選ばれているとのことで、ぜひグランプリを受賞してほしい!これからもあまい洋々にしか作れない作品を作り続けてほしい、団体です。
今回も素敵な舞台をありがとうございました。