期待度♪♪♪♪♪
ムシラセは以前から楽しく観劇しています。なんかの味の初演もお邪魔しました。
保坂さんらしいコミカルでキャッチーお話でありながら、涙を誘うズルさ(もちろんいい意味で)のある作品だったと記憶しています。
近年のムシラセは社会的なテーマを扱っていて、そこが評価されているように感じます。
実のところ、保坂さんの作品の真髄はそこに限らないと思います。
展開されるストーリーは、誰が良くて誰が悪いなんて一言で表せないような両義性があり、
じっくりとお話を観ることができる、まさに演劇ならではと思える作品を作っていらっしゃいます。
その中で描かれる社会なり、社会問題はあくまで彼らを結びつける媒介者の役割を果たしていて、キャッチーさを担保するものだろうと思います。
ムシラセの真の魅力はそれぞれのキャラクターの生き様にあります。
必死にまっすぐ生きていて、欠落があって誰かを傷つけてしまう。そんな人間らしい人間が描かれます。
半ば強引なステレオタイプに基づくキャラクター造形だなと感じることもありますが、
そこは演出と役者さんたちの力で、人生の悲しさも笑いに変えてしまえる、すごい劇団だなと思います。
今回は久しぶりの社会の基本単位、家族のお話。楽しみにしてます。