やなぎにツバメは 公演情報 シス・カンパニー「やなぎにツバメは」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    松岡茉優さんを映画館で観続けた時期があって、『蜜蜂と遠雷』なんか好きだった。かつてのピアノ天才少女が失くした輝きをもう一度取り戻す役。煌めきは今も色褪せていない。笑顔になるとパッと周りの空気を変える。表情でキャラがガラッと変わるので映画向き。ニヤーとしたりカッとなったり。
    大竹しのぶさんは相変わらず綺麗。独特のイントネーションが唯一無二の武器なのだろう。怒った時の台詞回しは別人のよう。

    大竹しのぶさん対浅野和之氏は必見。ウディ・アレンだ。

    「カラオケスナックつばめ」の名物ママが亡くなる。遺言で葬儀にかつての常連客達を招き自宅を改装した簡易BARでもてなす。ママの娘、大竹しのぶさん。常連客で親友の段田安則氏、木野花さん。段田安則氏の息子の料理人、林遣都氏は大竹しのぶさんの娘の看護師、松岡茉優さんと付き合っており結婚間近。そんな中、15年前に離婚した元夫、浅野和之氏が来訪。

    流石の横山拓也&寺十吾コンビ。ラストはスタンディング・オベーションに。
    必見。

    ネタバレBOX

    木野花さんがトチリ多く、思い切り大竹しのぶさんの役名を間違えてしまう。大竹しのぶさんは笑って訂正し、木野花さんも「今のはなかったことで」と取りなす。役者も観客も和やかな笑いでフォロー、いい現場だ。

    ラスト前まで可もなく不可もなくな印象だったが、ラストが美しい。全ての細かな伏線が生きて大竹しのぶさんの歌が決まる。これは見事!まさに横山拓也節。山田洋次の後継者だ。時代設定を昭和50年代にして映画化が理想だろう。

    霧島昇の1947年発表の「胸の振子」、作詞はサトウハチロー。
    「柳に燕は貴方に私 胸の振子が鳴る鳴る 朝から今日も」
    「煙草の煙ももつれる想い 胸の振子が呟く 優しきその名」

    再演は小劇場で青山勝氏演出で観たい。これをどう料理するか?

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    2025/03/09 17:12

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