『BORDER〜罪の道〜』 公演情報 五反田タイガー「『BORDER〜罪の道〜』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     登場人物総てが女性。(華4つ菱)

    ネタバレBOX

    演じるのも総て女性の監獄もの。(監獄という単語は現在の日本では法制度上廃止されているが、刑務所と同じような働きをしていた罪人を収容する施設。発音がより禍々しさを感じさせる為、犯罪者たちのその世界での貫目を示す為、及び今作の舞台となる刑務所との差異を明確化する為敢えて用いている。)登場するのは看守たち及び刑務所長、お笑い芸人、修道女、罪人たち。看守たち相互の関係と被収容者たちとの因縁の物語でもある。伏線と回収の形は明確で分かり易いから迷う場面はなかろう。(一方、深読みしようと思えばそれも可能である)
     序破急でいうと“序”の部分で舞台となる女子刑務所の模様及び登場人物たちのプロフィールが描かれ、“破”で老朽化の為新装されることとなった更に罪の重い者達が収容されていた監獄及び監獄収容者たちのプロフィール、移送されてきたこれも老朽化した刑務所で旧収容者VS新参者の相克が描かれる。犯罪者としての格は当然、監獄から移送されて来た者達の方が上であり、その力や犯罪者同士の格の差が描かれる。“急”では刑務所へ慰問の為に訪れた芸人たちの出し物をした演芸会での出来事(今作のクライマックス)が描かれる。
     急で回収される問題を一言で言うなら心理学的な問題の中で特に深層心理が人間に与える深刻な影響をドラマ化した作品ということができよう。犯罪に走った者達の多くが虐待やネグレクトの被害者であったこと、犯罪者とならなかった者達には護ってくれる者が居たこと。前者の与えられていた状況は護ってくれるハズの者たちが護れる者となる為の育児を受けていなかったであろう事実を示唆し、後者は護ってくれる者が居たこと、護ってくれる者たちはその親たちに守られて育ち、護る者を得て強く生きることができたことを示唆している点である。

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    2025/03/07 15:24

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