ノートルダム・ド・パリ ストレートプレイ 公演情報 GROUP THEATRE「ノートルダム・ド・パリ ストレートプレイ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、舞台は 総合芸術だと思わせる力作。
    ヴィクトル・ユーゴーの原作小説を一気読みしたような充実感。その舞台の魅力を引き出す(ジプシー)ダンスや歌 そしてフラメンコギターの生演奏、また心象風景を表すような照明が実に効果的だ。小説という自分の想像によって膨らませる世界観とは違って、舞台ならではの視覚 聴覚など直接に感じる面白さ。ストレイトプレイとして表現することは、原作の魅力を削いでしまうのではないかと少し危惧していたが、それは杞憂であった。アニメ、ミュージカルなどで観たことがあり、その彩られた といった先入観を持っていた。本公演はミュージカル等と違った魅力、物語性を重視した描き方になっている。

    公演では、登場する人物を魅力的に描くことによって 文字の世界(モノクロ)が彩られるといった感覚。しかし それは華やかといった彩ではなく、渋い光沢あるもの。頁と頁、行間を読むといった小説の味わいとは別の面白さがあった。
    舞台は15世紀のパリ、教会の権限による弾圧や排除が横行し、その結果 差別や格差などが生み出された時代を背景にしている。その不穏であり混沌とした世界、その雰囲気を巧く漂わせている。
    (上演時間2時間55分 途中休憩10分 計3時間5分) 【Aキャスト】

    ネタバレBOX

    舞台美術は 基本 高さある二段構造、上の段(台)から上手は横へ、下手は前(客席側)へ階段が2か所設えてある。上部の後壁の隙間から灯りが見える。場景に応じて、中央に刳り貫かれた出入口を表し、貧民街(ジプシーの溜り場)を表す。上り下りや穴をくぐるといった動作が躍動感を生む。

    物語は、ノートルダム寺院の鐘撞き男 カジモトが、ジプシー女 エスメラルダへ抱く純真な思い。捨て子であったカジモトを拾い 育ててくれた恩人 大聖堂の副司教フロローのエスメラルダへの偏愛、その彼女は 危ないところを助けてくれた王室騎兵隊長を激愛。夫々の成就しない恋愛を軸に、当時のパリの社会状況…偏見・差別、そして迫害等をジプシーや(魔女)裁判といった場面に巧みに落とし込んでいる。カジモトは外見が醜い(傴僂男)ことから、寺院から出ることも許されないが…。彼が捕らえられた時に水を与えたのがエスメラルダ、その出会いが幸せなのか不幸なのか、救いなのかは観客の感性に委ねられるところ。それにしても夫々の愛のカタチ、狂気じみている怖さ。まさに恋は盲目なのか。

    定住する所もなく放浪を余儀なくされるジプシー、その雰囲気を衣裳やメイクで表す。弾圧や排除といった迫害に抵抗する、その解放や自由を求める姿を個々の演技で表現する。一見まとまりのないように観えるが、そこに多くのパリ市民の渇望を見ることが出来る。ストレイトプレイだからこそ味わえる 地に足をつけた群衆の叫び、そこにミュージカル等とは違った力強さを感じる。

    音楽・音響が印象的で、特にギターの生演奏が場景を引き立てる。また寺院の鐘の響きが、厳粛であり物悲しくも聞こえる。照明は全体的に暗く、その雰囲気は鬱積と閉塞といったパリの空気感のよう。昏い中でスポットライトを照らし、その人物の心情を際立たせるといった巧さ。またナイフや弓、コイン等の彫細工がリアリティーで 臨場感を漂わす。全体的に丁寧な好公演。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2025/03/06 17:03

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