実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/02/05 (水) 15:30
座席1階
パラレルワールドとは、「もしあの時この選択をしていたら人生違っていただろう」というような、現実で選択しなかったルートを指す。今回は2部作のうち「恋に落ちて」の方を拝見。パラレルワールドを独自の解釈で展開していく舞台に引き込まれた。
芸人の彼とつきあっていた3人の「私」が、何が「別れる」という引き金を引いたのかなど、パラレルワールドで調べていくというのがおもしろい。帯金ゆかり、まちだまちこ、砂田桃子の3人がそれぞれ個性的な演技を披露するのも見どころだ。
最初に登場する「私」(まちだまちこ)は冒頭で彼に別れを告げられるのだが、何でこういうことになるのか、理解できなくて怒りが募る。そこにもう1人の「私」(帯金ゆかり)がでてきてパラレルワールドに誘う。
パラレルワールドでのできごとは作者の善雄善雄の頭の中の妄想だからどんな展開でもよいのだが、これが意表を突く場面もあってかなりおもしろい。ラストの結びも「なるほど、そうこなくっちゃ」という展開でとてもよかった。ただ、せっかくとてもよい結末だったのに、その幕引き場面でオリジナルソング?の絶叫系「パラレルワールドミュージック」はやめた方がよかった。客席は、劇作家が思う以上に真面目にこの物語に没入していたと思う。
3人の女性俳優のうち、マシンガントークで舞台を引っ張る帯金は迫力満点。若さ全開という感じで思わず食い入るように見てしまった。
あと、主宰者による前説はもっと短くていいかな。「前座」の扱いだったのかもしれないけど。
次回作が楽しみな「ザ・プレイボーイズ」である。