『パラレルワールドより愛をこめて』 『パラレルワールドでも恋におちて』 公演情報 『パラレルワールドより愛をこめて』 『パラレルワールドでも恋におちて』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-5件 / 5件中
  • 実演鑑賞

    「愛をこめて」観劇。受付でまごついて冒頭を見逃し、急ぎ入場するとシンプルな装置、カラフルな空間で「突如の異変」後のやり取りが始まっている。ただ、二人の関係性にいまいち自信が持てず宙ぶらりんな時間が過ぎる。65分の芝居では開演には間に合いたかった。
    役者は「間」を使う芝居を展開。途中イイ話系の気配も漂う。キャラと容姿がまるで違う二人は、タイトルが「パラレル」なら同一人物だろうに「俺たち」って言っちゃってるし(別人の二人、という風にも聞こえる)、暫く人物設定が判らなかった。女子がコロス的に男役やったりと、「ちょっとお粗末様で失敬」が通るコントを幾分拡大した感じで(リアクションに間があるのもお笑いの「察して、笑って」からか)、私はと言えば「いい話系」のお笑いが嫌いなのである。
    細部を埋めてくれる演劇でならイイ話は辛うじて受容するが、結論(感動)先取りでリアリティ無視でも感動してくれちゃう観客ばかりと思うなよ・・等とまァ無気になる事もないけれど、斜に構えてしまう。これは失敗だったか・・とつぶした別用が頭をよぎるも、後半は盛り返し、ストーリーを追う構えにはなった。AI風マネージャーの「効率優先の仕事は一流だが生き方ド素人」というイノセントなキャラが恋バナに発展。シリアスな場面はリアル(現実)を仄めかす。大御所に気に入られた相方のお陰で「向こうの世界の俺」は仕事が入って順風満帆。相方は元々高校時代、大笑いさせる台本を見せてくれた「俺」に付いてきた優さ男、「俺」の望みならやろうとする相方の内面に気づかず(あるいは内心気づいて?)、「俺」は世に出る将来像に舞い上がって(相方の「犠牲」で実現する)夢を脳天気にも語る。煮詰まった相方は破綻をきたして入院。ジャニー・Kを想起させるお誘い、また今カノと別れる選択肢まで提示された結果であった。(芸人というよりアイドルの話のようだが..。)
    一方「パッとしない」こっちの「俺」は相方に無理させる事はなく、売れないままである。

    パラレルの同一人物が人生展開の分岐する時点ですでに「全然違う」ので、「パラレルワールドの話である必然」が揺らぐ。とりわけ俳優としての見た目に準じた「対女子アピール度」の違いは、ネタとしても私には笑えず、フィクションが「素」に戻る(見た目いじりかよ..。と)。そもそも「容姿で変わる」ならずっと前から運命は変わってるはずで、生まれた時点で二人が「同一人物」であるかどうか等分からんし、その前提で物語を語る必要性もなくなる。そこはできれば、「本来同じはずだが内面のどこかが違った故に見た目も変わっている」くらいに見せてほしいわけである。
    大御所に気に入られた相方が仕事をもらって成立していたなら、世間から「あいつらそんなに面白んないのにテレビによく出てんな」くらいの齟齬が生じかねない。また、相方がいなくなったのに仕事はもらえてるのか? だったら元々実力はあった。であれば「こっちの世界の俺」も売れてておかしくないのに売れないのは? 何か別の要因(コンプラが厳しくなって・・とか)が説明として加わる必要が出て来る。
    感動の場面はある。向こうの「俺」が、こっちの「元気な相方」と対面する。自分の世界に戻って相方と向き合う覚悟をする、という変化がドラマである。
    同一人物と勘違いする相手の反応を楽しむ構造は沙翁「間違いの喜劇」の昔から演劇のテンプレだが、王道な展開は良き哉。
    全体に演劇的ポテンシャルを高めているものがあり、空気感としては脇の女子二名の活躍が「気持ちの良いスタッフの居酒屋」にいる気分。
    スタッフ・ワークはしっかりしている印象だった。後で見ると音楽が「虎に翼」の森優太、耳に心地よく芝居に寄り沿った劇伴は確かに好印象。

    ネタバレBOX

    見逃した冒頭は恐らく・・暗転後、奥の壁をバリッと突き破って別のパラレルワールドから絶叫と共に登場(この声が下で聞こえた)、驚いた「俺」(パッとしない方)が、売れてる「俺」に心配されて訪問を受けた、そんな説明が台詞で為されていたようである。
    ただ、リアルさ(テキスト上の)に若干の隙き間があると、そっちの可能性もあるんでは?と確証のないまま成り行きを眺める事に。結果入り込めず、「何か一所懸命やってるな」、という褪めた感覚を久々に味わった前半はきつかった。
    事後的反芻によってこのお芝居は理解し、飲み込んだのだが、やはりこういった出し物は「その時に楽しむ」事に価値がある。
    えらい酷評になってしまった。気軽に楽しめるお芝居だった、で良いではないかと言われそうだが。。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    愛→恋 の順で、1日でハシゴで観ました。
    脚本は正直、余白があって想像の幅があると言うよりも、色々と解像度が低いなって思いました。
    ただ、上演時間1時間。チケット代もお手頃で、リピートや逆チーム観る場合は割引。
    そして、役者陣が両チーム素敵で、物足りない本を豊かにしてくれていた。
    公演は総合力なので、いい公演だったのでは、と。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/02/07 (金) 13:00

    『…愛…』も観劇。こちらは本格的パラレルワールド物。笑いで始まるが、切なく展開して、なんだか「いい話」で終わる。面白い。63分。
     売れない芸人のバラン(村田和明)の前に、パラレルワールドで売れてる本人(鈴木浩文)が現われ、違いはどこで起こったのか、を探る、真当なパラレルワールドストーリー。回想すると、最初は笑える話なのだけれど、途中からちょっとシンドイ展開になり、切ないけれど「いい話」で終わる。『…恋…』とはちょっとテイストが違うが、両方観ると、それらの関連が分かる。とても巧く考えられている脚本と、役者陣の好演で素敵な舞台になっている。熊野ふみがいい仕事をしている。愛⇒恋の順序を推奨。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/02/05 (水) 15:30

    座席1階

    パラレルワールドとは、「もしあの時この選択をしていたら人生違っていただろう」というような、現実で選択しなかったルートを指す。今回は2部作のうち「恋に落ちて」の方を拝見。パラレルワールドを独自の解釈で展開していく舞台に引き込まれた。

    芸人の彼とつきあっていた3人の「私」が、何が「別れる」という引き金を引いたのかなど、パラレルワールドで調べていくというのがおもしろい。帯金ゆかり、まちだまちこ、砂田桃子の3人がそれぞれ個性的な演技を披露するのも見どころだ。
    最初に登場する「私」(まちだまちこ)は冒頭で彼に別れを告げられるのだが、何でこういうことになるのか、理解できなくて怒りが募る。そこにもう1人の「私」(帯金ゆかり)がでてきてパラレルワールドに誘う。
    パラレルワールドでのできごとは作者の善雄善雄の頭の中の妄想だからどんな展開でもよいのだが、これが意表を突く場面もあってかなりおもしろい。ラストの結びも「なるほど、そうこなくっちゃ」という展開でとてもよかった。ただ、せっかくとてもよい結末だったのに、その幕引き場面でオリジナルソング?の絶叫系「パラレルワールドミュージック」はやめた方がよかった。客席は、劇作家が思う以上に真面目にこの物語に没入していたと思う。
    3人の女性俳優のうち、マシンガントークで舞台を引っ張る帯金は迫力満点。若さ全開という感じで思わず食い入るように見てしまった。
    あと、主宰者による前説はもっと短くていいかな。「前座」の扱いだったのかもしれないけど。
    次回作が楽しみな「ザ・プレイボーイズ」である。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/02/02 (日) 15:30

    『…恋…』を観劇。初見のユニットだが、帯金ゆかり出演というので観に行った。とんでもなく面白い!(1分押し)55分。
     ミチル(まちだまちこ)がカレにふられて呆然としていると、突然、未知瑠(帯金)が現われ、カレにふられていないパラレルワールドを探そう、と誘われ、ミシェル(砂田桃子)のいる世界に行くが、…の物語。3人の「みちる」はそれほど似ているとも思わないけど、とにかく笑わせてくれる。設定の妙。伏線もしっかり張って回収するし、ただただ笑っていればよい舞台だった。12月のナイスストーカーに続き破壊力爆発で大活躍の帯金だが、おなか☆すいたろうがいい仕事をしている。

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