ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!! 公演情報 爍綽と「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    東京にこにこちゃん萩田氏がこの企画に過去作を持ち込んでお馴染みの役者に登場願っての舞台化。駅前劇場との違いか、若干の出演俳優の違いか、作りそのものの違いか、過去3作観た東京にこにこの方がちょうどのバランスに感じられた。放たれる小ギャグの質は同じでも場内の空気で「滞空時間」が変わる、のか、ギャグの質そのものが低かったのか。。
    ベースが「お笑い」でそれに「お芝居」まで付いて来るなんて贅沢~~、というノリなら、可不足なしであるかもだが(そういう目で観てないので判らんが)、「芝居を観る」つもりで作劇を凝視すると、「超有名な悲恋物語の変奏」である今作の場合、原典との関係は緻密に書き込まれていたい、という願望がある。如何せん元が糞真面目な頭では、厳しい評価に流れる。

    ネタバレBOX

    二人が死ななかったとしたら・・。ロミジュリが自死を回避したその後、三人の子に恵まれた日常がナンセンスまじえて描かれるが、登場人物らが一人一人消えて行く。一人ジュリエットが事の成行きを受け入れているが、「ごめんね」が混じっている。手引きをした薬屋は、日常の中にも薬屋として登場していたが、消えるのは約束の範囲だったのか、ジュリエットが薬屋の言いつけに従わず自分の願望を優先したからなのか(祭が嫌いな薬屋の意向に反して、皆が楽しみにしていた夏祭りが話題となりそこに友情話も恋愛話も収斂していく)。ロミオの思い残しであった「バルコニー越しに二人の手が届く」場面を実現する、というのがジュリエットの「夏祭り」に寄せた願望であったなら、約束を犯してまでも断行する動機はあるし、それを最後に全てが消え去る、という儚いラストが想定される。だが一体ジュリエットが飲む事を義務づけられていた薬が何なのか、約束の中身は何だったのか等はぼんやりのまま、なし崩しで一気呵成にラストに持って行く。最後の「キメの絵ヅラ」頼みであったがこれは前の台詞から読めてしまうし、なし崩しでぼんやりした過程からあの絵に到達した所で、それをどう喜べば良いのか戸惑ってしまう。
    そうした欠陥にも関わらずノリで持って行く技、細かく笑わせる役者の技量は買いであったが。

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    2025/02/02 08:59

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