実演鑑賞
満足度★★★★★
広田氏の私小説的物語であるそうだが、もちろんフィクションを織り交ぜているとしても、この、かなり壮絶な半生と、祖父母や両親の人生と、これから向き合わなくてはいけない「母」や「きょうだい」「きょうだいの家族」「自分の家族」と、これから先を生きる者たちが抱えるかもしれない「血の繋がり」の呪縛等々を「舞台作品」とし世に出したことに、まず感服する。
そして、タイトルの「取り戻せ、カラー」は、これからカラーを取り戻しに行く広田氏の覚悟と決意表明のようにも感じて、胸が熱くなる。
登場人物が多く、時代が行き来するので混乱するかと思ったが、そこはさすが実力の確かな役者さん揃い。素晴らしかった。
特に相葉るかさんは、ちょっと、いやかなりエキセントリックな母親を見事に演じていて素晴らしかった。
「アマヤドリ」活動休止前最終公演とのこと。
いろいろな事情があるとは思うので、何年先になるかはわかりませんが、どうか近い将来に「カラー」を取り戻して更に深みを増した広田氏の脚本・演出で「活動再開記念公演」が行われることを切に願う。