取り戻せ、カラー 公演情報 アマヤドリ「取り戻せ、カラー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    広田氏の私小説的物語であるそうだが、もちろんフィクションを織り交ぜているとしても、この、かなり壮絶な半生と、祖父母や両親の人生と、これから向き合わなくてはいけない「母」や「きょうだい」「きょうだいの家族」「自分の家族」と、これから先を生きる者たちが抱えるかもしれない「血の繋がり」の呪縛等々を「舞台作品」とし世に出したことに、まず感服する。
    そして、タイトルの「取り戻せ、カラー」は、これからカラーを取り戻しに行く広田氏の覚悟と決意表明のようにも感じて、胸が熱くなる。
    登場人物が多く、時代が行き来するので混乱するかと思ったが、そこはさすが実力の確かな役者さん揃い。素晴らしかった。
    特に相葉るかさんは、ちょっと、いやかなりエキセントリックな母親を見事に演じていて素晴らしかった。

    「アマヤドリ」活動休止前最終公演とのこと。
    いろいろな事情があるとは思うので、何年先になるかはわかりませんが、どうか近い将来に「カラー」を取り戻して更に深みを増した広田氏の脚本・演出で「活動再開記念公演」が行われることを切に願う。

    ネタバレBOX

    夜逃げやら何やらあったからなのか、途中から某宗教団体は退会したようだが、がっつり宗教活動をしていた両親の元で育った時間が一番長い長女が、現代医学を否定し、何かちょっと怪しいスピリチュアルに傾倒しているのが妙にリアルだった。宗教が全て悪いと言うつもりはないが、幼少期の体験はその後の人生に大きく影響することが少なくないので、宗教から離れても、そっちに拠り所を見つけちゃったのかと思うと、なんだか切ない。
    妻の死後、女を作って子ども三人を捨てるように祖母に丸投げしたマンサクと、血の繋がらない晋作を自分の子どもだと言い切るケンヂの対比や、親は子どもを捨てても、子どもは親を捨てられない、血の呪縛から逃れられない苦悩なども見事だった。

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    2025/01/27 11:01

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