『リタの教育』『オレアナ』二作同時上演 公演情報 稲葉賀恵 一川華 ポウジュ「『リタの教育』『オレアナ』二作同時上演」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    『リタの教育』を観劇。

    2つのエリアに分けられた客席が舞台を挟む構造になっており、
    ごく間近で、二人のやりとりを見守ることができる。

    芝居の立ちあがりで、二人の人物造形に吹き替え的なバタくささを感じてしまったり、
    この市民講座がいったいどういう枠組みでどういうテーマで行われているのか、いまひとつ腑に落ちない——ということはあったものの、二人のすれ違いが露わになってくるほどに、引き込まれ、身につまされるものがあった。

    フランクがリタのような「無垢な素人」に刺激を受けること、その根底には女性や労働者階級への偏見があり、搾取があるという問題意識の一方で、成長を見せるリタ/スーザンの姿は、頼もしく美しいが、ある種の「意識高い学生」の類型としか感じられない自分勝手な失望——というのもよくわかってしまう。

    二人のすれ違いは、というより、フランクの危機は、はじめから、無垢な素人/搾取の対象によって救われるべき問題ではないのだろう。終幕に訪れる二人のわずかな触れ合いが、髪を切るという「ケア」であることが、皮肉でもあり、切ない。

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    2025/01/26 07:08

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