実演鑑賞
満足度★★★★
設定が上手い学園法廷コメディ。
とあるド田舎の小中一貫校では生徒間が対立、それを学校裁判として児童・生徒自らに解決させる。校内の問題は学校全体、ひいては担任教諭や校長の責任を問うような広がりをみせる。勿論、学校法廷劇であるから被告と原告といった立場で議論するが、その内容が面白く しかも考えさせる。自分で考え 意見を言い合い、お互いの気持を理解していく。公演で描きたかったことが浮き彫りになる。
表層的にはスラップスティック・コメディといった印象だが、その中での台詞(言葉)の遣り取りが面白可笑しい。真面目な裁判劇といった理屈で観たらツッコみどころ満載。
ド田舎ゆえ生徒数は少なく、学年が違っても皆 顔見知り。そして学級委員長という優等生から素行が悪い者、少し精神が といった者まで個性豊かな生徒が集まっている。その生徒たちが提訴する内容が妙。少しネタバレするが、幽霊の存在を信じるか否か といった 悪魔の証明 のような言い争い。その和解までの議論が心に響く。そして学級委員長が提訴した或る問題が学校全体を巻き込んで…。
(上演時間1時間40分 休憩なし)