Yes Means Yes 公演情報 serial number(風琴工房改め)「Yes Means Yes」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/01/16 (木) 14:00

    座席1階

    性暴力を真正面から扱った衝撃的な作品。客席にいる女性の中には、涙を流す人もいた。客席だけではない。主役の女性を演じた内田慈も舞台上で涙をぬぐうほどの感情移入があり、迫力のある舞台だった。

    タイトルの「Yes means Yes」はスウェーデンの法律で、同意のない性的行為は犯罪であるという法律だそうだ。舞台では、一見、お互いを理解し合いうまくいっている若い夫婦が、この法律の成立を伝えるニュースが流れたテレビを突然、夫が切ってしまうという出来事をきっかけに微妙なすきま風が吹くところから物語が回転していく。
    性暴力は近年も、よく事件になっている。事件になっていないものは、それこそ何十倍も何百倍もあると思料される。舞台で演じられた事例も「事件」とはどちらかというと距離のあるところにある出来事だから、ごく当たり前にあるのだろう。だからこそ、この舞台の告発は衝撃的だと思う。

    女性がどれだけ心身に深い傷を負うのかというのは、男性にも想像はつく。舞台では男性被害者も登場させることにより、性暴力の「汎用」的なところを浮き彫りにする。せりふの中でも出てくるが、男性被害者は被害者という立ち位置さえ確保するのが難しい。こうした視点が鋭い。
    どんな物語の結末になるのかやや暗然たるムードではあったが、結びは一筋の希望が見えるようなところに落ち着いていてホッとした。苦しみながらこの本を書いた詩森ろばを称賛したい。

    中に台本が入っている(書かれている)という異色のパンフレットがいい。お勧めの舞台だ。

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    2025/01/16 22:01

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