朗読劇 私の頭の中の消しゴム 公演情報 ドリームプラス株式会社「朗読劇 私の頭の中の消しゴム」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    絶妙なタッグ
    レミゼのマリウス役、ミス・サイゴンのクリス役での実力派で知られる藤岡正明の演技は流石。リーディングといえど、お話だけで観客を号泣の渦に巻き込む力量はやはり、プロでした。そうして、あまり期待していなかった岡本玲。彼女の演技も実に素晴らしかったです。
    二人で血の滲むような練習したのだろうと思わせるほど、息がぴったりで岡本の絶叫や儚く消え入りそうな声が藤岡の声にマッチして二人の世界を作り出してた。
    会場は号泣に重なる嗚咽に包まれ心地のいい涙を流しました。

    この二人の回はお勧めです。


    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    建築会社を営む社長の娘・かおるとその会社に勤める高原こうすけの純愛物語。
    お互いの日記を読むという形で描写するリーディングだったが二人の感情の起伏の表現があまりにも見事で直ぐに物語の世界に誘われた。

    二人は建築現場で出会い恋に落ちたが、かおるのひたむきで一途な愛を中々受け入れられなかったこうすけは、幼少の頃の暗い影を背負っていた。それは七夕祭りで母親に捨てられた過去が小さなこうすけの心を屈折させ愛に対して臆病にさせていたのだった。

    人生は絶望の連続だったと言い切るこうすけの心を説得し正面から向かい合って幸せを掴むことを恐れないようにと、こうすけ自身を氷解させたのは他でもないかおるだった。

    やがて二人は結婚し希望に満ち溢れていたが、そんな幸せも束の間、かおるは変頭痛に悩まされるようになる。同時にかおるは物忘れも酷くなる一方で、病院からは「若年性アルツハイマー」との診断が下される。しかし、こうすけを思い遣ってこの病名を打ち明けずに離婚を申し出るかおるに対してこうすけは深刻に悩んでしまう。こうすけと出会う前に付き合っていた不倫相手の和哉の影にも怯え疑心暗鬼になりながら鬱々と暮らしていたが、半年も経ってようやくかおるの病気を理解したのだった。

    そうこうするうち、かおるの病気は進行するばかりだったが、かおるの傍でかおるの介護に明け暮れるこうすけは、決して不幸ではなかったものの、こうすけが帰宅すると「お帰りー、和哉さん。」というかおるの嬉しそうな言葉に深く傷ついてしまう。本当は和哉のことが好きなのではないか?と悩むこうすけ。

    そんな生活の中、いよいよ記憶は遠のくばかりとなったかおるは、こうすけへの変わらぬ愛をしたためた一通の手紙を残して出て行ってしまう。こうすけは絶望し泣き叫ぶもかおるは戻らなかった。

    さらに数ヵ月後、かおるからの手紙が届き、その住所から施設を探り当てたこうすけはかおるに会いに行くも、かおるは既にこうすけを覚えていなかった。落胆するこうすけの表情。しかし、かおるが描いている小学生のような図画にはこうすけの似顔絵が何枚も描かれていたのだった。


    涙が枯れてしまうのではないか、と思うほど号泣して嗚咽した舞台だった。改めて二人のキャストの素晴らしさを実感したものの、客席は半分以上空席の状態。思うにチケット代が高すぎると思う。リーディング舞台なら集客できる金額は3500円までだと思うのだが・・。

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    2010/09/13 18:13

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