ピープル・ゲット・レディ【公演写真アップしました!】 公演情報 Minami Produce「ピープル・ゲット・レディ【公演写真アップしました!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「Phosphorescence」という花
    いったい太宰の「Phosphorescence」をどういじるのだろうか?と興味深々だった。現実と夢想の世界の両方に自分を置いて、その両方で生きてる男が主人公だ。しかし、この舞台では女が主人公である。序盤、宮沢賢治っぽい描写だなー。と思いきや、中盤には夏目の「こころ」も盛り込み、更に終盤は太宰というか、「本当は怖いグリム童話」みたいな世界で締めくくる毒さ加減。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    舞台には猫みたいな「あした」が現われる。だてあずみだ。ここでの主役は洋子なのだが、だてほど雰囲気のある女優は珍しいとも思う。

    洋子はあしたときのう、つまり2つの夢を行き来する。ここでの「あした」と「きのう」は洋子の影だ。「あした」という夢の世界では他人が洋子と関わりあう世界。「きのう」は洋子の友人らが登場する世界。2つの世界は時間軸がずれて交差することはなかったが、徐々に二つの夢が近づいて一つになりつつある。

    この夢の中で語られる「猫の車掌さん」やら「雲を千切って作るドーナツ」の話は童話的で可愛いらしい。更に猫話は九州で突然消えた田舎町での情景とも絡ませる。これを南が書いたのかと思うとなんやら顔をガン見してしまった。笑

    更に物語は洋子の属性にも及び、洋子が男から受けてきた好意と言う気持ちを操ってきたこと。ナオと達也の間を画策したこと。男の気持ちを知りながら小さな棘のあるズルサを積み重ねて生きてきたこと。そういった洋子の手段をこの物語りで咎め後悔させるような舞台は観ようによっては女のずるさの代名詞とも受けとられてしまう。

    すると「やっぱり女は怖い。」なんつって意気揚々と男達は語りまるで自分達が正義のようにされてしまうのも違和感を覚えてしまう。童話のもつ残酷性や口承の物語や近代以前の物語というのは、この話に限らずおしなべて残酷なものだが、この物語の洋子が女の持つ特性なんて思われたら、ワタクシ達は生きにくいじゃあないかっ!笑



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    2010/09/05 12:37

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