コラソンのおともらち 公演情報 コラソンのあんよ企画「コラソンのおともらち」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    三短編オムニバスというよりは、連作品といった感じだ。登場人物を通して三編が緩く繋がっており、そこには人は一人で生きていくのは難しい といったことが描かれているよう。当日パンフにも「飼い猫 コラソンとおともだちのノラさんーその間に立ちはだかる透明だけど固いガラス窓。目に見えないけど確かに存在する他者との<心の壁>が今回のテーマとある」と。心の壁はあっても、一人では生き難いのが現実だろう。心の機微と人間関係を巧く紡いだ物語。

    比較的小さな空間だが、三編の状況を明確にするため舞台セットは入れ替える。その手際の良さ、ちょっとした隙間時間に 今観た物語を反芻して楽しんだ。登場人物は3~4人、密な空間での濃厚な会話が痛々しくも切ない。そして日常見かける光景だけに納得感と共感が…。コミカルでありシリアスな味わいのある好公演。
    二面客席で それぞれ段差が設えてあるから、座る場所で印象(観え方)が異なるかも。因みに猫は、冒頭 スクリーンに登場するだけで、直接 物語に絡まない。
    (上演時間2時間 途中パフォーマンス休憩あり) 

    ネタバレBOX

    三編は 次の通り。
    1.「・・・に際しまして」
    舞台は同棲を解消して、彼女が引っ越すまでの わずかな時間。セットは畳二畳 その上にベット、ミニ丸テーブルとクッション。そして段ボール箱1つ。大方 搬出が終わって車に乗り込むだけ。居酒屋でバイトしている男は未練がましく、女は彼のことがちょっと心配。大喧嘩したわけでもなさそうで…多い沈黙 しかも長く気まずい雰囲気。引っ越しの手伝いに彼女の知り合いが来ているが、この人物が鍵。この状況は3作品目を観てはじめて分かる。

    2.「スタイルだから・・・」
    居酒屋の座敷が舞台。前作のベットを搬出し、丸テーブルの代わりに居酒屋テーブルを。ロックバンド メンバー3人の飲み会で、今後の活動について議論 というよりはリーダ(Drummer)の持論を捲し立て、たびたび解散を口にする。度々の飲み会で同じ展開に辟易しているヴォーカルが怒りだし逆襲する。店内でサングラスを外さない、小指を立てて飲む、スマフォを見ながら話す、それぞれにスタイルがあるようで…。

    3.「サクサクアーモンド」
    ビジネスホテルの休憩室。畳の代わりにソファ、テーブルと椅子を搬入。ホテルの清掃員とフロント嬢(コンシェルジュ?)の言い争い。宿泊客が室内を汚し、その後始末(清掃)を終えて休憩している。そこへフロント係が颯爽と入ってくる。清掃員は彼女に経営者(幹部)に、善処するよう依頼するが 取り合わない。逆に嫌なら辞めればいいと…そして売り言葉に買い言葉で本当に辞めてしまう。残されたもう一人の清掃員の切なさ寂しさが募る。

    第1話の知り合いの人物、実は引っ越しをする女の姉でホテルのフロント係。妹をだらしのない男と別れさせたが、結果 引き籠りになり。両親がいなく姉妹2人、妹は誰かに頼るといった依存癖がある。だから清掃員の頼るような依頼事は断った。一方 辞めた清掃員が住んでいるアパートに同棲を解消された男?がいたようだが、孤独死をしたと…。
    自分の内(心)にずかずか入ってこられるのも煩わしく迷惑、しかし距離を置き過ぎると違和感が…その人間関係は難しい。人が存在している限り永遠の課題かも。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2024/10/05 20:36

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