妖怪大参列 公演情報 劇団 枕返し「妖怪大参列」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2024/08/25 (日) 13:30

    前半と後半でがらりと雰囲気が変わり、姿を見せぬ”通夜の本人”の演出が秀逸。
    個人的には”たくましい人魚”のオネエぶりが素晴らしくて目を瞠った。
    お肌つるつる、ピンヒールを堂々と履きこなし、私なんかよりはるかに女っぷりが上だ。
    クールな「ハンズ」が少し退廃的な雰囲気なのも良し。
    役者陣が隙の無いなりきりぶりで楽しい!

    ネタバレBOX

    「まく」の通夜の知らせを受けて、縁のある妖怪仲間が集まって来る。
    「まく」はどんな妖怪だったか、口々に語る彼らの話を総合しても
    その実像はさっぱり見えてこない。
    そもそもまくは「いなくなった」というだけで「死んだ」とは確認されていない。
    なのに通夜のお知らせだけは来ている・・・。

    という前半のドタバタから、後半はがらりと趣が変わる。
    「まく」とそれぞれの過去の関わりが描かれ、しかも「まく」がいいこと言ってる!

    「まく」は「妖怪枕返し」、劇中では「悪夢をひっくり返して良い夢にする」的な
    ことをちらっと言ってた気がする。(違ってたらごめんなさい)
    大事なことだからもっと立てて言って欲しかった!

    終演後後ろの席の方が「結局最後がよくわからなかった」と話していたが
    私もそう感じた。
    「まく」が通夜というかたちで、みんなに会って別れを告げたかったのだと思うが
    もう少し解りやすく伝える工夫があれば理解の助けになるだろう。

    過去作を観ている観客には妖怪のキャラが解っているのかもしれないが、
    当日パンフにある、あの妖怪の説明が後半のストーリーに生かされていたら、
    もっと楽しくて切ない展開になったと思う。
    「さとり」とか「網切」とか「人魚」とか、他の妖怪たちにも
    きっとその存在には「愛と哀しみ」のバックグラウンドがある。
    少し前半を絞ってその分後半のエピソードを深くしたら、
    “ふざけやアホが泣かせもする” 鉄板の作品になると思う。

    「妖怪」とか「鬼」って、人間の延長線上に存在するものだと思う。
    人間の業を抽出して煮詰めたものが彼らなのだ。
    劇団枕返し、どうぞこれからも妖怪(人間)の本質を見せて下さい!

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    2024/08/26 00:27

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