ミセスフィクションズのファッションウィーク 公演情報 Mrs.fictions「ミセスフィクションズのファッションウィーク」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    この劇団の長編作品は以前確か二作程観たが、やっぱりMrs.fictionsと言えば他団体とのオムニバス企画、劇団の「看板」である。15minutesにおいても必ず「最後がミセス」、トリを飾る。これが良い出来でなけりゃ様にならないし、他団体とのレベル差があり過ぎても良くなく、全体で一つのエンタメに仕上げる力にいつも感心しつつ不思議がっている。
    今回のテーマ「ファッション」は各劇団とも絶妙な距離感(縛られなさ)があって(日本のラジオはほぼ無しとも言えるが、他のグループも角度が異なるのでその事の違和感も特になく)、HARDOFFの古着コーナーのような衣裳がズラッと掛かった長めのクローゼットが下手、上手に据えられた装置で、劇を上演するので、言わば装置がミッションを代行してる案配。
    三作上演して二時間余。時間的には各劇団バラつきなく、アプローチは各様で絶妙にバラつきあり。充実感ありであった。

    ネタバレBOX

    泣かないで、はデートを前に何を着て行くか迷ってるJKの内面を代弁する様々な「自分の心」(乙女心、老婆心、探究心、羞恥心、等等7体)が喧しく「自分」を責め立てる。
    日本のラジオはどうやら宇宙人的な存在(男女二人)が、奇妙な具合に会話をする。部屋を案内されるのだが、自分が部屋の主だと主張する3人が順次登場して混乱し、混沌に陥るがある決着に辿り着く。不条理要素大。
    Mrs.fictionsはウルトラマン愛を大学時代の彼氏に植え付けられた彼女が一足先に社会人となり円谷プロに入り、「新時代のウルトラマン」を模索する企画プロジェクトのメンバーに抜擢され、その過程においても彼氏の助言を得たり、プラダとの提携を取り付けた事で進み始めた(換骨奪胎した)ウルトラマンの脚本担当に彼氏を起用したりする。歴代ウルトラマンの放送内容のみならず製作の裏事情も知り尽くしたウンチクを彼女の方が雄弁に語る後半。留年続きの彼氏が自分の中の「理想のウルトラマン」が崩され忸怩としながらも実績を上げてる彼女を止める事はできない中、突如として訪れる結末。ほろ苦さが広がる。一つの恋愛模様が、ウルトラマンとプラダを大々的に経由してシンプルに提示されるオチが流石であった。

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    2024/08/17 04:43

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