実演鑑賞
満足度★★★★
初演は映像配信で観たので、実演は今回が初めて。
2012年のとある高校の放課後。突如中止になったミス・ミスターコンをめぐる女子高生たちの会話から、ジェンダーやセクシャリティに関わる無知や差別が浮かび上がってくる。
初演では「言いたいことを詰め込んだ」ような気迫が印象に残っていたのだが、今回初めて実演に触れ、「女子高生」たちの会話のテンポ、流れに引き込まれ、乗らされたうえで、語られていること、起こっていることのグロテスクさに対面させられた。
この劇に織り込まれた、(悪意のない)内面化された偏見、無知、差別は、設定から12年後の今にもよくあるもので残念ながら「おわって」はいない。その終わらなさをあらためて丁寧に解きほぐして、向き合うきっかけにもなりうる作品だと思う。