奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話 公演情報 イキウメ「奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ネタバレ

    ネタバレBOX

    イキウメ『奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話』を観劇。

     このシリーズは日本の怪談話しを伝説ではなく、実話のように語る面白さがあり、決して見逃してはいけない作品である。

    あらすじ
     人里離れた山奥に、地図にも載っていない廃寺を改装した旅館にふたりの男が都会から訪れてくる。長期滞在の作家・黒澤が怪談話しを始めると、伝播するように各々の怖い話しで盛り上がっていくと、男たちは殺人事件の調査でこの地に訪れたと語り始めるのだった…。

    感想
     劇場に入った瞬間、雰囲気が伝わってくる舞台セットに緊張がよぎる。すり足で静かに俳優が登場し、作家の黒澤、旅館の女将、刑事たちが語り始める怪談話に「嘘か実か?」という疑念の下、没入感はたまらない。
     怪談話しを俳優が演じながら語るのは白石加代子『百物語』と遜色はないが、殺人事件と落語・牡丹灯籠の怪談話しを絡めながら「これは真実の話では?」と少しでも感じてしまったら最後、登場人物と一体化してしまい、逃れられなくなってしまうのである。
    『嘘の話し』『過程の話し』を実のように語るのが語り口の上手さで「今回の話は実話なのでは?」と思い始め、観劇後直ぐにインターネットで検索してヒットしないと分かると「あ〜嘘だったんだぁ!」と現実に戻され、イキウメの世界観からやっと逃れられるのである。
    ただ怪談話しの怖さもだが、恋愛感情から起きる激しい男女の感情のもつれが恐ろしさの発端なので、観客も同じように息苦しくなり、いつも以上に感情を揺さぶられてしまった『奇ッ怪シリーズ』だった。
     傑作である。

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    2024/08/10 10:51

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