はやくぜんぶおわってしまえ 公演情報 果てとチーク「はやくぜんぶおわってしまえ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    昨年上演された作品が早くも再演、とのこと。僕は初見でした。タイトルから連想するのは「我慢を強いられていることへの耐え難き怒り」で、それを思うだけでも胸が痛い。

    舞台は、私立の女子校(中高一貫校?)の教室。放課後を過ごす五人の生徒と一人の教師による会話劇。校内のイベント「ミス・ミスターコンテスト」が突如中止になり、その話題と、生徒たちの日常を綴りつつ物語は進んでいく。

    ネタバレBOX

    公演資料に「性的マイノリティに対する偏見・差別」や「性自認のゆらぎ」などが登場すると明言し、明確な目的意識を持った創作で、作り手たちの思い、願いが存分に込められた力作だと感じます。その上で「問題を可視化・認識してもらうために伝わりやすさを極力意識した」という点も深く納得して観劇しました。アフタートークで語られた内容も、的確な言語化によるトークセッションで理解しやすかったです。その上で、僕自身に必要なアップデートができているか? 問題をしっかり認識して心に刻めたか? など、様々な想いが頭の中で駆け巡りました。

    物語終盤に、生徒たちの担任教師(学校のOG女性)が極めて不用意な発言をしてしまう。それを聞いた生徒を絶望の淵に追い込んでしまう発言を、担任教師は有益な助言のつもりで語る。この構造がとても恐ろしく、問題の当事者でない無自覚な大人は、こういう行為に陥りがちなことが何より恐ろしい。僕自身もこういう発言をしてしまう可能性は高く、自分ごととして観劇しました。

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    2024/08/04 19:29

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