精霊流し 公演情報 (公財)可児市文化芸術振興財団「精霊流し」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    女の情念を表す二人芝居
    セットの関係だろうか?二人芝居でも広く感じさせないのは、キャストの風格ではなく、舞台セットだと思う。おばばと女の会話劇のみで大きな動きはないぶん、脚本でもうちょっと工夫して欲しかった。普段、上質で度肝を抜かれるような小劇団の芝居を見慣れてるだけに、ちょっと物足りなかったのは事実。


    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    女は不倫した挙句、男を自分のものに出来ない寂しさから、男の自宅に電話をかけてしまう。電話の向こうから聞こえてくる賑やかで温かな風景を楽しむ声は女の心を突き刺してしまう。投げやりになった女は誰でもいい別の男とも関係し、自分の寂しさの穴を埋めようとするも、その空洞は埋まらない。

    埋まらないどころか、ずるずると二人の男との関係を続けてしまう。そんな折、本命の男が女の部屋にやってきて、女を抱き、昨日の男との情事の残り香に感づいてしまう。女は両方の男に嘘の上塗りをしてきたが、ここでバレてしまたものの男は「俺がお前を放っておいたからいけなかったんだな。・・・許す。」とのたまう。

    ここでワタクシは、自分も妻が居る身で「許す!」ってなんだよ!(・・)つーて思った。

    こうして女は男の居る職場を退職し、更に女には子が宿り自殺しようとしてふるさとの松山に戻りおばばに助けられる。ここでおばばが生きて来た経緯や情念が語られ、女はおばばの励ましによって生きてみようと思い直すという筋。

    女が終盤に語る「私はいっぱいの男に想われたいの。私の浮気は許せてもあの人の浮気は許せない。」のセリフは人間の業を思わせて、男をひたむきに想う女とはうらはらに般若の顔が浮んだ。

    脚本にもうちょっと動きがあったほうが好みだった。

    0

    2010/08/18 17:02

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大