満足度★★★★
W配役がテーマを象徴
初見です。あらすじにある「地方出身者から見た東京を描く、青年&中年青春群像劇」から思い浮かべた印象とは異なっていましたが、作風にとても好感が持てました。
もともと劇団ものが好きなのですが、なかなかいいと思う作品に当たりません。昨年、最悪の劇団ものコメディーに出合い、拷問のような2時間20分を経験してからはトラウマになっていましたが、これはそのトラウマを忘れさせてくれました。1時間50分、まったく長さを感じなかった。
青春が描かれているけれど気恥ずかしくならないし、もちろん自己チュウの要素も無い。けっこう笑えたけど、わざとらしい笑いではなく、人物描写の中で笑えるのがよかった。焦点を絞りきれていないとのご意見もありますが、私はW配役でテーマを巧く生かし、無駄も少なかったと思います。焦点を絞ればもっと締まった作品になりそうで、実は逆にテーマがかすみ、妙味も失われる気がするのです。今後も観てみたい劇団です。