二十一時、宝来館 公演情報 On7「二十一時、宝来館」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    地方の女性の後期青春劇スケッチである。時折、新劇団の作者としても名を見るようになった作者なので見物に行った。
    高知県の片田舎の地方のつぶれそうになった宴会ホテルで三十代後半の高校クラス会が開かれている。たばこも据える休憩室が舞台だが、いまはたばこ受難期だから、もちろんタバコは吸えない。使えなくなったたばこの灰皿が一人の登場人物で、あとは三人の同級生。いつまでも高校気分のままなんとなく都会と行き来している女、地元で子持ちになった女。達観している地元のクリーニング屋になった情報通の女。灰皿が擬人化しているところがミソでコメディタッチである。1時間。
    まずまずの出来だが、大きな発見もなく器用にまとまっている感じで、まだこの作家よくわからない。筆者は舞台となった高知の片田舎は若いころの仕事の関係で、ちょっと知っている。六十年前は、もっと奔放な人物がたくさんいて仰天したものだが、今は、都会も地方もあまり変わらないな、とちょっと寂しい気分でもあった
    疎開中に獅子文六がこの地と山一つ越えたところを舞台に書いた南国滑稽譚とか大番の世界は、そのころは現実だったのだから。
    余談で言うと、この新しい小劇場、折りたたみいすは仕方がないとはいえ、あまりにも小さすぎる。中学校の生徒までのようなイスでは、夏場隣席の人の肌にも触れてトラブルが起きないか、と思ってしまう。

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    2024/06/28 10:42

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