ゴースト&レディ 公演情報 劇団四季「ゴースト&レディ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    舞台美術と、細かいマジカルな演出がまずすばらしい。マジカルというのは、寝床の死んだ人が魂(俳優)がぬけたあとも、死体(別の俳優がせりあがる?)は残っているとか、ゴーストとライバルが煙の中に入っていった後、煙が薄れると、そこには誰もいないとか。ちょっとした工夫とこだわりだが、見ていて驚きがある。

    ナイチンゲールがただものではないことがよく分かった。女性は邪魔だ、という男社会に切り込んだジャンヌ・ダルクである。(ゴーストも「また神の声か。神が語り掛けるのは女ばかりだ」とぼやく)。看護師たちを募って、支援物資も集める社会起業家であり、非衛生状況を放置・隠ぺいする軍医の責任者と闘う改革者であり、本国の有力者に手紙を出しまくって、政治を動かす政治家でもある。そして、現場を回って負傷者に希望をあたえる「ランプの貴婦人」。小学生向けの偉人伝の中の人と思っていたら、とんでもない。「世界を変えた100人」の一人に選ばれる傑物だ。

    派手さはないが、音楽もダンスも楽しめた。

    ネタバレBOX

    後半は、シアターゴーストのグレイの過去と、因縁のライバルのボーモン(女性)との対決が見どころになる。ナイチンゲール伝とは異なる、フィクションの部分が盛り上がって、スペクタクル的に面白くなる。ボーモンの長いソロ・ダンスや、二人の空中での決闘などたのしめる。

    グレイは親にも、兄のような存在だった幼馴染にも、恋人にも裏切られ、人を信じられなくなっていた。しかしナイチンゲールに出会って、再び人を愛することを知る、という太い筋がくっきりしていて感動させる。

    最後は数十年を一挙に飛んで、ナイチンゲール死去の場まで。死んだ彼女がグレイと結ばれるかに見えて、グレイはこの世に残り、ナイチンゲール伝の芝居(つまり本作)を完成させる、となかなか心憎い大団円になっている。

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    2024/06/21 18:10

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