満足度★★★★★
ハイセンスでハイグレードすぎる連作コント集。
フライヤーに『これはコントの広告です。』なんて詠っているものだから、てっきりボケとツッコミに役割分担がなされていて、「ショートコント!」という前振りからネタがはじまるのを予想していたのだけれども見事に裏切られた。
たとえば今日日のバラエティ番組で見受けられるような一発ギャグ的なウケ狙いをかましたり、あきらかに常軌を逸しているキャラクターに頼って笑いを取ろうとするお手軽さはまるで皆無で『オチ』に重点を置くというよりも、あるシチュエーションのそれぞれの会話の掛け合いから生まれる『ズレ』から『おもしろみ』をガシガシと広げていくような。
で、そうしたなかにさり気なく、人生の思わぬアクシデントだったり、何とも腑に落ちない不条理さだったり、誰かの誰かに対する想いが織り込まれていたことが、すごくよかった。
妙な共感を得ようとせずに、描きたいことをスマートにはめ込む辺りも都会的で、作家のキラリと光るセンスを感じた。
そしてあれだけの広い空間をたったふたりの役者で表現したことにも驚かされる。また、フライヤーから抱いた浮遊感のある、不思議な世界というイメージを美術、照明、音楽、衣装が盛り上げていた。
所々気になる点はある。けれどもそれを差し引いても圧倒的におもしろかったし、コント界の新しい夜明けを感じた。
2010/08/24 14:54
こんなに細部にわたってしっかり観て頂けるお客様が居ると、
こちらとしてもやりがいがあります!本当に嬉しいです。
お話の解釈のされ方が、僕がオカヨウヘイの脚本から読み取ったものと異なる視点で
組み立てられていて、「なるほど、そういう見方もあったか!」と目からウロコな気持ちです。
こうやってお客様から色んな感想をお聞きすると、
作品の世界がどんどん広がっていく様で楽しいですね。
でも、テレビのお笑いとの差を感じ取って頂けたのが何より嬉しいです!
やっぱり舞台で、お客様に足を運んで頂いて、生で向き合ってコントをするのに
頬杖つきながらサラッと消化出来るものをお見せしても仕方ないなと思います。
もちろん、複雑なら良いという訳でもありませんが…。
今回はその辺のさじ加減の…もっと言うなら「演劇とコントの境界」の
ギリギリを攻めようという挑戦だった様に思っています。
次回公演[PUZZLE]は、もっと単純に笑えてワクワクする公演にしたいですね。
色々課題はありますが、これからも心地良く刺激的な時間を作るべく頑張って参ります!
今後ともPLAT-formanceをよろしくお願い致します!