満足度★★★★★
緻密な構成、脚本の岸谷さんに拍手!!
地球ゴージャスは、4回程、拝見しましたが、作品的には、今回が一番の秀作ではないかと思いました。
たった6人だけの主要人物の芝居を、作、演出も、出演者も、緻密に創り上げた手作り感溢れる舞台に、幕開きから、大変好感が持て、その気持ちがどんどんヒートアップして行きました。
映像とのコラボ的な舞台作りも、大変効果的で、全てが素敵でした。
期待したほど、歌はなかったけれど、中川さんや森クミさんの歌は、歌詞も良くて、胸に染み渡りました。
この作品、たとえば、クロムモリブデンとか、空想組曲とか、競泳水着とか、そういう、小劇場の精鋭劇団でも、競作上演してもらえないかとさえ思う程、小劇場演劇にも打ってつけの脚本のように思いました。
何気なさそうな台詞の中に、たくさんの人間の本質が浮き彫りにされたり、社会の仕組みの不条理さにはっとさせられたり、笑いと、人生の機微がうまくマッチングした、素敵な芝居で、期待していなかった分、とても満ち足りた思いで、劇場を後にしました。
こういうさり気ない台詞の中に、珠玉の言葉をそっとしのばせるって、なかなかできるものではありません。
終演後の場内アナウンスが流れても、鳴り止まない拍手が、観客の偽らざる気持ちを表していたと思います。