意義ある上演だが。
入った瞬間舞台美術に驚く。小劇場でここまで作り込むのも珍しい。見事に時代風景が反映されており、劇空間がパッと映える。照明の入れ方なども幻想的で綺麗だ。
主演二人の演技力はかなりの実力だと感じた。一方、端役、特に女性陣の素人演技がどうしても目にかかる。キャスト数がそもそも非常に多く、下手に弱い演技で作品全体を色褪せさせるのならば、もう少し人数を削れば良かったのではないかというのが正直なところではある。
原作は未読だが骨のある脚本に仕上がっており、作品のテーマ的にも現代日本で上演する価値のある作品であったことは確か。それだけにチケット定価の高さと観客席の空白がもったいなかった。とは言え、何を目的に上演するかは劇団それぞれだろうから仕方ないのかもしれない。