PARTYせよ 公演情報 東京おいっす!「PARTYせよ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    キッチリ笑わせてくれました
    「東京おいっす!」初見です。俳優さんたちの演技が自己満足ではなくキチッと客に伝えているのでちゃんと笑えるし安心しました。コメディの場合は特に「自己満足の笑い」かそうでないか、俳優の表情に出てしまうので、いつもチェックさせていただいている。
    早めにロビーに入ると、入場を待つ婦人客たち相手にスタッフがグッズ販促をやっているのを、アットホームな感じだなと思って聞いていた。座長(最近では懐かしい肩書きだ)の奥原氏の来場挨拶文を読み、率直さに好感を持った。言わずもがななのか、「異性との出会い」に縁がないことなど公表しない主宰がほとんどだもんね(笑)。
    カーテンコールの際にも全員額に手を当て「東京おいっす!」の決めポーズをするのを見て、「昔の軽演劇みたいで、いまどき珍しい劇団だなー」なんて感心してました(笑)。詳しいストーリー紹介は既にされているので、省かせていただき、感じたことをいくつかネタバレで。

    ネタバレBOX

    冒頭で、英語で泣きじゃくる喪服姿の金髪の女性を男がなだめて2人は濃厚なキスを交わす。「何?」と思ったら、2人は隣家の夫婦で、妻(吉岡のえ)はれっきとした日本人だとあとでわかる(吉岡はもう少し出してほしかった 笑)。
    隣家の三宅家は葬儀だというのに、小瀬家では友人らを招いて納涼花火見物がてらホームパーティー。引っ越してきたばかりの小瀬の夫(久松信美)が挨拶に行った三宅家の当主が玄関先で倒れ、小瀬が前に住んでいた家の住所に救急車を呼んでしまったため、現住所に救急車が到着するのが遅れ、「もう少し早かったら助かったかも」と医師に言われたなんて三宅家の婿養子の夫(奥原邦彦)が言う。実際だったらものすごくわだかまりの残りそうな事態なのだが・・・(笑)。
    小瀬の愛人ノゾミ(前田ユキ)が「小瀬(おぜ)さん」と呼ぶのが「おじさん」と聞こえてしまい、最初のうち、親戚の娘なのかと思ってしまった。
    葬儀に乗り込んできた三宅の愛人のホステス(恩田裕子)が小瀬家のテラスに来て気持ちを整理すると言いつつ、ぬる燗で酔いながら髪を振り乱して獅子舞のように顔を振る姿や、小瀬の妻(多崎オリエ)が呼んだ出張料理人の平川(ロン佐藤)を、ノゾミが紹介される予定の小瀬に似ているという職場の若い後輩と勘違いする場面が可笑しかった。この料理人は何かというと「NASAで開発された」という商品を売りつけようとするインチキくさい男(挙句の果ては香典泥棒を働いて逃げてしまう)。小瀬がノゾミに紹介しようとした鈴木(須藤淳一)は胸の上で帯を結んだヘンな男で、喪服を着せられ、庭で三宅の妻のお使いをさせられるはめになり、入れ替わりに愛人の行動を心配する三宅が浴衣に着替えて小瀬家のテラスにやってくる。奥原の浴衣姿の腰が決まっているのがよい。この人は稽古着でも浴衣をきれいに着られる役者だと思う。小さなことだが、大切だ。
    料理人が作った料理は、交通渋滞で仕出し料理が間に合わないという理由で、ことごとく三宅家のほうへ回されてしまう。鈴木が料理を運ぶたびに三宅家の居間から「ほぅー」と歓声があがる(笑)。三宅は3号までいたことがわかるが、3号の包んだ香典袋をホステスのものと勘違いして香典1万円+39万円で40万円の手切れ金を渡して別れようとする(上乗せ分はサンキューの洒落とか?笑)。
    小瀬の妻は新居を設計した工務店の伊吹(伊東敦志)と関係を持ち、身ごもっている様子。夫の浮気にも気づいており、男2人に愛想が尽きている。遊びに来た新婚の松月夫妻(小林大介、にしそのゆう)のラブラブぶりが対照的。松月の夫がシックハウスのアレルギーからか家に入るとくしゃみが止まらず、小瀬家の庭先で「男女の幸せ美学」を説く。花火見物に興じる小瀬の後ろを家を出ていく妻がキャリーケースを引いて通るラストシーンはほろ苦く、ただ笑わせて終わるコメディではないのが良かった。
    全体にそつなくまとまって面白いが、不倫カップルがたくさん出すぎて話題が不倫一色になるのが少々もたれ気味。中心に不倫以外の問題を抱えている人物がいてもよいのでは。料理人の平川とか。
    音楽が場面にそぐわないところもあって、わざわざ流さなくてもよかったかなと思った。

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    2010/05/27 21:27

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  • きゃるさん

    きゃるさんもご覧になったのですね。しかも高評価が他人事ながらうれしいです。
    「空気感が好き」と私は書きましたが、そういう意味では「なんとなく好き」な劇団になっていますので、この劇団側の立場で、きゃるさんのレビューを読んでしまいました(笑)。

    >吉岡はもう少し出してほしかった

    そのとおりですね。もう少し物語の中心に絡んでほしかったと思いました。
    そういえば、全編英語の台詞でしたよね?

    >「小瀬(おぜ)さん」と呼ぶのが「おじさん」と聞こえてしまい

    私もまったく同じでした。最初はそれが笑いのフリで誰かが聞き違えたりするのかと思ってましたが、単に台詞の問題でした。


    >奥原の浴衣姿の腰が決まっているのがよい。

    これもまったく同感でした。体型もあるんでしょうけど(お腹にタオル入れたりしなくてもいいという・笑)、着慣れているんでしょうか。
    前田さんの浴衣も普通に着こなせていてよかったと思います。
    浴衣とか着物がへんちくりんなことって、最近目にすることが結構ありますので、普通だと、ちょっとホッとします。

    >不倫カップルがたくさん出すぎて話題が不倫一色になるのが少々もたれ気味。

    そこが一番の問題でした(笑)。何か少し味付けが違っていれば(3組とも男は別れることしか考えてないので)、胃薬が必要なほどの胃もたれも、軽い胸焼け程度ですんだかもしれません。

    2010/05/28 04:57

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