めぐるめく 公演情報 KAKUTA「めぐるめく」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    だから家族
    姉妹を軸に家族を表現した物語だったように思う。その描写の仕方は温もりがあって涙が溢れた素晴らしい舞台だった。セットの高さがあるのでこれから観に行かれる方は、座席は中央が宜しいかと。。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    好みの物語だった。交通事故で昏睡状態になり11年間も入院していた長女・陽子は、ある日突然目覚める。姉は他の3人の姉妹・れいこ、みきこ、ロミに呼びかけをして、当時交通事故で亡くなってしまった夫の墓参りをしようと持ちかけ、旅行方々決行される。まるで墓参りの為に陽子の意識が戻ったかのような感じだ。

    一方で陽子の息子の立を11年間引き取って面倒をみてきたのはロミだったが、立が思春期になって難しくなると、どうやって接していいのか解らないロミとロミを母代わりとしていた立の心情の描写も見事だった。ロミが吐く言葉の毒はロミの本心とはうらはらで痛々しくもあり生き方が下手な代表選手のようだった。優しい言葉はかけられない。そんな温い言葉はロミにとって、こっ恥ずかしい以外の何物でもないのだ。しかし立に対するハートは熱い。

    そんなロミの恋人のような存在だった陽子の亡き夫の弟・木崎は姉の介護士として親身になって付き添っていた男が実はあのおぞましい交通事故の原因を作った男だったと知り、介護士を責める。それを受ける介護士の心の葛藤の場面が涙ナシでは観られない。

    そして前後するがこの介護士が旅先で入るお風呂のシーンの描写はコミカルで絶妙だった。コメディそのもの。

    次女のベストセラー作家のれいこと、その担当者の出版編集者の微妙な近しい関係性もある意味、崇高だったと感じる。「家族のように近い関係というのは何も恋愛や体の関係がないからという問題じゃない。」と吐く編集者の言葉がやけに響いて、ズシン!と奥の部分に木霊する。

    三女・みきことフリーターの夫の関係もなんだか微笑ましい。

    それぞれのどこか傷を負った人たちが自らの温もりを発し、その体温が確実に伝わってくるような芝居だった。もしこの芝居をサイボーグが観たらどんなだろう。「人間とはこんなにも優しいのですね。」と感じてエネルギーが充電されて動くのだろうか。地球を気に入ってくれるのだろうか。地球という大地に根っこを張り巡らせて根付いてくれるだろうか。

    頑張ろうと思った。


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    2010/05/23 12:33

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  • saeko>
    こちらこそ、素晴らしい舞台を有難う!

    2010/05/24 12:42

    ご来場&コメントありがとございました!

    2010/05/23 18:46

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