満足度★★★★★
観劇初心者の感想。妙に生々しい。
今まで観劇には縁が無かったのですが、紹介されて最前列で観てきました。
マクベスの世界に引き込まれて、あっという間に終わってしまいました。ただ少し疲れましたね。
「マクベス」はもちろん読んだことがあり、ストーリーは知っていました。でも、
生身の人がすぐ近く動きまわりながら鮮やかな演技で語ると、そのウソとグルが妙に生々しく感じられました。なぜか自分の職場や家の、私の周りの人々のことが思い出されて、人間というものがちょっと怖くなりました。
「ウソとグルは人間社会の中での闘争の最大の武器なのは、今も昔も老若男女変わらないものだなあ」と、もう一度本を最初に読んだ時のような感想をもちました。
それから帰り道でマクベスのことを考えていました。
まず、善人でいるのは難しいことだ、と思いました。王様が用心していれば、または不謹慎ですがマクベスがもっと大胆に王子も手にかけていれば、流血の量ははるかに少なかったろうに、と思ったのです。
でも、絶対うまくいくと思っても「やってはいけないことはいけない」ので、それは意識を持った個々の人間の世界観というか生きる信念の問題である、とマクベスの最期に納得しました。
繰り返しになりますが、目の前の人間が人間の抱えている問題を語ると実にリアリティがあります。テレビや映画と全然違います。とても良かったです。
2010/05/25 00:45
「観てきた」への書き込み、ありがとうございます。
MOMENTS主宰、佐川大輔です。
私達は「観終わった観客のリアクションがあって、初めて作品は成立する」と考えています。
このような感想は嬉しい嬉しい宝物です。
作品に関しての評価だけではなく、ご自分の個人的感想を書いていただき、謹んで読ませていただきました。
「生の人間が目の前で演じることにより伝わるパワー」
まさに、映画やテレビでは味わえない世界だと思います。
それは当然、見る側にもある程度の緊張感や、空間の共有意識が働くため、エネルギーがいるものでしょう。
ですが、だからこそ生々しく伝わるものがあり、それは大きな影響力があるのではないかと思って僕らは演劇をしています。
サトル様がこの作品を見たことで、何かの気づきが生まれ、それが寄りよい方向に向かうための切っ掛けになれば嬉しいと心から思います。
何はともあれ、ありがとうございました。
機会があればまた是非いらしてください。
またお会いできるのを楽しみにしています。