シュシュが見た最後の夢 公演情報 メガバックスコレクション「シュシュが見た最後の夢」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    キャストが素に戻るとき
    前作の公演があまりにも幻想的で素晴らしかったので、今回はどうしても前作と比較されてしまうのは否めない。それでも、どう甘く捉えても今回は一部のキャストの演技力がイマイチだった。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    物語は説明にあるようにシュシュの生い立ちから、シュシュがまだ生まれる前に、半ば与えられた使命のごとく父・ペンネと母・アリアを結ばせるキューピット役を担う。やがて二人は結婚してシュシュが生まれ、ペンネは絵を描くことに専念し、時は幸せの絶頂の中だった。しかし、世の中は黒い雨雲がニョキニョキと不気味に広がりを見せるように隣町との不穏な空気が流れだし、いよいよ戦争は始まってしまう。

    そんな折、シュシュは病に倒れ入院し、余命を宣告される。悪い事は重なるものでペンネは王の命令で広場に「平和と自由の象徴の絵」を描いていたが未完成のまま、召集されてしまう。暗雲に囲まれたような広場はかつての楽しい広場ではなかった。こうして人々は希望や夢を失い、ダンサーになる夢を持ったラッパは挫折し絶望し自害してしまう。

    その一週間後、戦争は中断され広場に再び陽が射し始めたとき、ペンネは帰国し広場の絵を完成させる。しかし、シュシュは絵の完成と同時に永遠の眠りについてしまう。ペンネはシュシュと会うことが出来なかったが、シュシュは亡霊となってペンネのもとにやってきて、完成した絵を観て満足そうに微笑む。

    絶望の淵から這い上がった人々の力強さや友情、希望を描いた作品だったが、物語についぞのめり込めなかった。見事に結末が解ってしまうこと。物語のテンポがややスローだったこと。前作と比較してちょっと雑だったこと。ララの演技が時々、素に戻ってしまうこと。これはキャスト自身も解ってるはずだと思うが、自分の役になりきってないものだから、目が時々、泳いでいたり、素に戻ってしまう。観客はそういうところは決して見逃さない。見逃さないから、こちらもソッチの世界に入れない。入れないまま時間だけは過ぎていき、結果公演時間が長く感じてしまう。そのうちお尻も痛くなってモゾモゾ動き出し、時間ばかりが気になってしまうのだった。

    相変わらず衣装、セットは南欧の風情を醸し出し、パナが演奏するシーンは美しく酔いしれた。だが、そこまでだった。初日ということもあって緊張してたのかもしれない。しかし、プロはプロなのだ。だからワタクシもそれなりの芝居を要求してしまう。それでも鼻を啜ってる観客はいらして泣かせてたのだった。たぶん・・・後半は良くなると思う。

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    2010/05/05 16:34

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