満足度★★★★
理論と実践
Mバージョン観劇。観終わってから、ちゃんと作品説明文を読んでから観ればよかったなあと思ったのは、この作品が二つの性質の型を交互に上演しているというスタイルをとっていることを途中まで気付かずに、変に物語の一貫性を見いだそうとしちゃったから。
冷静に整理すれば、ちょっとずつ進展していく山の頂を目指す一神教(旧約聖書?)的な哲学思想理論パートと、その間に挟まれるラーメンズの「TEXT」あたりを彷彿とさせるシステマティックロジカルコントパートに分かれていることが見えてくる。
そしてその前者は最後まで観ると後者のシステマティックさを説明づける理論であることがわかるし、後者は理論の実践的表現として用意されていることがわかる。
ただ、舞台上で理論が実践とがきちんと絡んで活きているように見えるかと言われれば決してそうとは言えず(理論は理論なりの身体表現の工夫がなされてはいたが)、あくまで理論は理論、実践は実践という印象で、考えを説明したいのはわかるが、これを舞台上で一つに、しかも交互にして観客に観せる必要はあったのかなあと思ってしまう。コントパートが結構好きだっただけにまた。
あと理論パート、MEの音量が大きすぎてセリフがよく聞こえなかった所が何度かあったのはちょっとな、と。
笑いのツボはぴったりだったのでコントは本当に爆笑した。ロジカルコントが好きな人にはおすすめだし、役者もいい間や味を持っている人が多かった。テンポもいい。後半は同じようなシステムコントが続いて疲れた。