満足度★★★
縦横上下無尽
とにかく登場人物が多い。一人二役の役者が何人かいるけれど、それでも役者は31人。舞台は派手。そしてさらに演出も賑やか。そういった意味では非常に楽しい。今回観たのは「夢野久作 少女地獄」だけど、多分「津山三十人殺し」もそうだろうと思う。
また、「少女地獄」から二つのエピソード、「犬神博士」「あやかしの鼓」の話をひとつにまとめて物語にしようという着想も面白い。それぞれの話を縦横無尽に駆ける立体構造の物語構想も面白いと思う。
しかし、消化不良な感の構成が残念。役者の精度にばらつきがあるのも、見ていて落ち着かない。ラストも、やりたいことはわかるけれど、ちょっと唐突すぎなのが難。
とはいえ、照明の演出など、部分部分に見所がたくさんあって、そういったところは十分に楽しめた。