ONE vs HALF 公演情報 劇団め組「ONE vs HALF」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    タイトルは二人を表すが
    今回は中村半次郎を主役とみていいと思う。いつもの事ながら終幕の演出は美しくお見事!はらはらと舞い散る桜の花びらと戦いのシーンは幻想の世界であった。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    劇場の椅子にあったパンフをみると、今回の芝居の参考年表がパンフに印刷されてる。こういった細やかな配慮が実に嬉しい。1838~1879年のもの。実はこの時代が芝居で上演される事が多い。だからこれを大切に常にバッグに入れて持ち歩こうと思う。

    さて物語りは京都でのこと。徳川が13代将軍に就任し世は激動の時代に突入し、倒幕、大政奉還までの時代を綴ったもの。青蓮院宮を助け、会津藩と新撰組は長州を退けるも、当初、宮側に付いていた薩摩藩は倒幕の為に長州に寝返る。ここで薩摩の西郷吉之助の弟子、川路と中村半次郎の関係に説明を加える。

    今回も観客に物語をより良く理解してもらおうと、邪魔にならない程度に少しだけ説明をしてくれる配慮は有難い。ワタクシのように歴史が苦手なものにとっては有難いのだ。

    裏切り者の西郷もろとも、薩摩と長州を倒そうと考える徳川派の会津藩と新撰組。しかし、薩摩藩には凄まじい剣の腕前の中村半次郎がいた。彼と互角に勝負できるのは新撰組の斎藤一しか居ない。彼らはかつて、青蓮院宮衛士としてその名を上げていった仲間でもあった。二人の生き様を描写しながらも、剣の腕前だけではない人間としての感情の部分、人を殺してしまった半次郎の苦悩を孤児のお幸を通して絶妙に反映させる。

    やがて・・・、斎藤一と中村半次郎の斬りあいは始まる。そのシーンは桜の舞い散る中、その戦いとはうらはらに幻想的な美しい描写の中でお幸が「半どん(半次郎)、早く帰ってきて~な。」と待ちわびる情景が切ない。ここで半次郎が宮を切ろうとしても切れなかった場面を想像する。半次郎に「半どん、この世に一人前の人間などいない。」と励ました宮。

    終盤、激動の時代は終わり、剣の時代ではなくなった今、西郷の墓の前で宮が呟く。「わしの願いはただ一つ、この国を守りたかっただけでしたのに・・。」そして、時代の勇士らの回想シーンを魅せる!


    今回も実に素晴らしい芝居だった。「劇団め組」の時代劇は解りやすいところと、優秀なキャストらの演技力、美しい演出、絶妙な場面での導入音楽、照明が魅力だ。更にストーリー展開が主軸となる登場人物の心の動きなどの内面を重視する点だ。だから、必ず感動と涙を誘い、言い知れぬ切ない激情に襲われる。

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    2010/03/27 11:03

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  • 桃太郎>
    評判のいい感想を確認した時には既にスケジュールが間に合わない。ってことはよくありますよね。劇団め組の公演はハズレがないから安心して観られました。ワタクシなど年表を見ながらの勉強する感覚で観てましたよ。

    >はらはらと桜の花びらが舞う中で苦悩に満ちながら剣を振り下ろすもの達の哀しさ。

    そうそう、この描写、素晴らしいです。ワタクシの文章の一行に加えたいくらいです。
    コメント、有難うございます。そうおっしゃって頂きますととっても嬉しいです。

    2010/03/28 15:00

    素晴らしい情景説明に観られなかった残念さを打ち消す事が出来ました。
    はらはらと桜の花びらが舞う中で苦悩に満ちながら剣を振り下ろすもの達の哀しさ。
    ありがとうございました。

    2010/03/28 13:11

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