満足度★★★★
薄っぺらい携帯電話で薄っぺらい友達と会話
緑チームの演目 「三鷹の女」がよかった。
出演は福原冠。
作・演出の友寄総市浪氏は福原の所属劇団である
国道五十八号戦線の作家で、
かねてよりサイエンスフィクションを得意としている。
設定が突飛な作品が多いこともあり、
この作家の芝居には状況説明や情報伝達のための台詞が
ちょっと多いように感じられ、過去に7作品観たが
どうしても自分は受け付けないのであった。
人間よりも、構成やトリックが目立って感じられてしまい。
でも、今回ばかりは違っていた。
今作「三鷹の女」は福原冠の原案?というか提示したコンセプト?
というかキーワード?が15分の中でだいぶ幅を利かせており、
独白調の作風も手伝ってかなりフレッシュな印象。
福原冠という俳優の持つ、やけにこざっぱりした狂気や
人間失格な部分、醒めた部分、など少し込み入ったパーソナルなところが
脚本に滲んでいて一人芝居企画ならではの醍醐味があった。
それなりに挑戦している小作品であるが、
演じる福原はあくまでゆったりと構えており、
他の一人芝居と比べてだいぶクレバーなところがニクイ。
「これ、やってみよう」とするのに必要な熱を(舞台上では)
一切外には漏らさずに老獪に演じていた。
グレイト。
※「三鷹の女」の感想だけで申し訳ありません……。