スイングバイ 公演情報 ままごと「スイングバイ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    蟻の大群!
    ここでのリーマンが働くビルは普通のビルではない。おそらく高さという概念もない。それでも空虚すら感じるその壮大なビルは天空のもっと上のオゾン層までも届いている感覚のある高さだ。だから300万階のビルの窓からは雲が下に見え、雨は降らない。笑

    要するにアニメ的な描写の世界。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    オープニングが楽しい。そして同じような風景で幕を下げるのは、昨日と同じような仕事をして、今日と同じような仕事をするであろう明日のリーマンの習性のようだった。

    キャストはリーマンらしくない。リーマンらしかったのは板倉チヒロといしおくらいだ。まあ、トーゼンと言えば当然だ。彼らは現実にリーマンなんてやったことないだろうから・・。これらのリーマンが働く企業の本社はは300万年の歴史を持ち60億の支店を抱え、これまた30万階の巨大な超高層ビルだ。つまりは地球規模の企業だが、エレベーターの階が2010年3月16階とか2018年3月17階などと表示してあって、過去にも未来にも行けるドコデモドアー!!みたいな状況だ。

    そんなビルの中で働くリーマンはまるで蟻のような存在に見える。社内広報課やら食品流通部やら総務やらで社員は働き、何処の会社でもある似たような人間関係を構築している。新入社員はあまりにも広すぎるビルの中で右往左往し、あたふたとしてしまう。気づくと何も仕事をしていなかったように思え、はたまた、本当に仕事をしない窓際族も居る。会社を不満に思う中堅ドコロの社員は退職し、それでも会社が困ることはない。かつての同士は今日と同じように何も変わることなく明日も働く。同じ道筋を決して逸れない蟻のように・・。

    物語が反転する度にキャストらも反転する。この区切りは会社で働く人間の感情にも思えて可笑しくもあった。ただ、この反転が舞台上で最後までずっと続く。だから、少々飽きる。序盤は引き込まれて終盤に飽きるパターンだ。

    これらは自らの意思で動いてないリーマンが軌道を逸れないように頑張っているようで哀れにも思えるが、ちょっと考え方を変えれば楽なのだとも思う。言われた事をそこそこコナシ、必要以上に成績を上げることはしない。テキトーに働けば良いだけだ。これが長く勤めるコツだ!なんつってリーマンを見下げてしまう事もあるが、実はワタクシもレッキとしたリーマンなのだった。

    まあ、蟻も大群になれば世界を滅ぼす機動力になるのかもしれない。
    頑張ろう!リーマン!世界は我々が動かしてるーーー!!!

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    2010/03/17 16:30

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