ミツバチか、ワニ 公演情報 あひるなんちゃら「ミツバチか、ワニ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    クジラもいたか!
    動物臭の濃厚な今回の公演だとは思ったが、まさか墨井鯨子という4文字のなかにも動物が隠れているとは思わなかった。ところで彼女の名前は「くじらこ」という読みでいいのだろうか?

    ネタバレBOX

    観劇した人の評価がいつになく高かったので、期待と不安が半々の状態で見に行ったが、個人的な評価としては、いつも通りかそれよりもちょっと下くらいの内容だった。

    黒岩三佳、異儀田夏葉、篠本美帆、墨井、これに劇団クロムモリブデンの女優を加えた顔ぶれは、以前にやった「フェブリー」を思い出させる。(前回クロムから出たのは金沢涼恵で、今回は渡邉とかげ〉。あのときの女優陣は劇団史上最強といってもいいくらい全員がツボにはまっていたが、今回は同じような顔ぶれながらも「フェブリー」ほどの面白さが感じられなかったのは、たぶん脚本のせいだろう。

    舞台の左右にそれぞれテーブルと椅子が置いてあり、下手は占いの館の一室で、上手は客としてやって来た青年(根津茂尚〉の住まいという設定。照明を交互に当てて場面転換をしていた。
    途中、墨井の演じる占い師が、時空を越えて一気に隣の場面に移動しようとするのを、共演者が制止するというちょっとメタなギャグがあった。また、青年のガールフレンドの兄という役柄で作演出の関村俊介が登場したときに、異儀田演じるキャラクターを役名ではなく、いきなり役者の本名で呼んでビールを要求したのも、これまでの「あひる」にはないメタなギャグだった。

    占いの館には3人の占い師(墨井、黒岩、渡邉〉と従業員(日栄洋祐〉と無能な社長(登米裕一〉がいる。いっぽう青年の部屋には友人やその知り合い(三瓶大介、中野加奈、澤唯、関村〉、そしてほとんど無関係な二人組(異儀田、篠本)が登場する。
    異儀田と篠本の扱いは、「フェブリー」で演じた幽霊コンビに近く、漫才めいた二人の掛け合いは放し飼いでもOKなくらいの絶妙さ。実際、芝居が進むにつれて二人はだんだん動物化していった。
    青年の知り合いがペットショップの店員で、逃げ出した(実際には店員のガールフレンドが逃がしてしまうのだが〉ペットの行方を占いで当ててもらおうとする。
    逃げ出したペットのうち、一部は人間に化けて小劇場の劇団に紛れ込んだというのが、今回の公演のメタな解釈として妥当ではないだろうか。

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    2010/03/13 13:42

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