ふすまとぐち 公演情報 劇団野の上「ふすまとぐち」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    生活感のある突き抜け方
    津軽弁の世界なので
    言葉がわからない部分が若干あることも手伝って
    笑って観てしまいましたが、
    冷静に考えると実はかなり壮絶な世界。

    しかも、
    個々の登場人物から沸きあがる感情の揺らぎには
    不思議な瑞々しさがあって。
    終盤に息を止めて
    見入ってしまいました。

    ネタバレBOX

    嫁と姑、さらに小姑がからんでの確執というのは
    いつの時代もあるのだろうしとはおもうのです。
    朝食の味付けでごりごりとやるあたりは
    まあ、ありふれた風景かと思った。

    しかし、そこからの展開に目を見張りました。
    エピソードのひとつずつが
    絶妙にデフォルメされていて、
    家庭内の空気が観る側にがんがん伝わってくる。
    しかも、津軽弁が醸し出すニュアンスというか
    表現の強さが計り知れない部分などは、
    デフォルメ思えない部分などもあって・・・。

    子供のころからの苛立ち、
    そこに、宗教やちょっと怪しい商売まで入り込んできて、
    女たちの強さや鬱積したもの、さらには脆さまでが
    じわりじわりと観る側に伝わってくる。

    それこそふすまの内側で息を潜めているような感情を
    ふたをあけて観る側にそのまま伝えるためには
    このくらいのデフォルメが必要なのだと思うのです。
    しかも、内心を荒っぽく晒すだけではなく
    終盤に心の揺らぎをしっかりと表現する部分の語り口も
    実に秀逸。
    青森的ウィットや
    クールな視点もしっかりと編みこまれていて。

    なんというか、人が生きているなって感じる舞台。

    夏にも東京で公演があるとのことで
    とても楽しみになりました。

    0

    2010/02/22 15:57

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大