そして彼女はいなくなった 公演情報 劇団競泳水着「そして彼女はいなくなった」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    競泳水着がミステリーで新境地を開く!
    今回の芝居は正統派ミステリー。始まった瞬間から舞台はサスペンスモードに包まれ、最初から最後までわくわくどきどきしどおしの1時間40分だった。

    上野友之はいつもしびれるような台詞を書くが、今回はそれだけでなく、緻密な場面構成とパズルを組み合わせたようなシーン展開に才能を見せた。たぶん二度三度見ても十分楽しめるミステリーだろう。

    これだけ密度の高い作品だと、アフタートークはいらないなあ。

    ネタバレBOX

     ミステリーは、最後まで誰が犯人かわからないという謎解き部分の面白さと、犯人がわかった後になるほどなあと思わせる、相反する二要素をクリアしなければ名作にならない。その点、今回の作品、ミステリーのお手本のような見事なつくりだった。

     そして川村紗也の鬼気迫る演技、恐れ入った。ただのかわいいだけの女優じゃないことを今回の舞台で証明。そして縦糸となった姉と妹の物語がこのミステリーを本物にした。細野今日子が演じた愛に生きる姉の強さと弱さそして哀しさ。この伏線が生きたために、このミステリーを奥の深いものにした。

     小劇場の人気役者が勢ぞろいしたような舞台で、それぞれが上野サスペンスの重要素材として芝居を盛り上げたが、中でも、舞台上でも女優を演じた岡田あがさの華のある演技に感動。立っているだけで絵になる女優だ。個性的な役を演じることが多い彼女が、今回はストレートな役どころをしっかりと演じた。

     探偵を演じた高見靖二と書店店長を演じた永山智啓もどこか憂いを含んで魅力的だった。全体的に重苦しいシーンが多い中、書店アルバイトあみを演じた松崎みゆきの明るくさわやかな演技が清涼剤のようだった。

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    2010/02/17 01:45

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