アイ・アム・マイ・オウン・ワイフ 公演情報 燐光群「アイ・アム・マイ・オウン・ワイフ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    燐光群の面目躍如
    まず会場に入った瞬間、へえ!吉祥寺シアターってこんな使い方もできるんだ!と何だか秘密クラブに案内されたような高揚感。
    「ハシムラ東郷」の時のように、今回の芝居も、何人もが一人の人物を演じる形式ながら、実際何人もいた「ハシムラ東郷」と違って、一人のシャーロッテを16人が代わる代わる演じるこの形式は、今回は、シャーロッテの実像がわからないというこの作品のテーマとも重なって、秀逸な手法だったと思う。
    それに、久しぶりに、燐光群の役者さん達が、生き生きと役を演じている様が嬉しかった。
    時々、坂手さんのオリジナル脚本は、役者さんが、坂手さんのメッセージの代弁者に過ぎないと感じられて、演じ手としての達成感はあるだろうか?と、余計な心配が頭をかすめるけれど、今回は、同じ役やその他の役を、皆さんがそれぞれ工夫して役作りされている感じで、何やかや言いつつ燐光群ファンの私には、気持ちの良いステージでした。
    他の国の公演と比較できないけれど、、この舞台における坂手演出は、なかなか他にはないオリジナリテイを感じて、やはり坂手さんは、二人といない演劇界の異才かもしれないと、思いを新たにしました。

    ネタバレBOX

    最後に、16人のシャーロッテが、客席を回り、テーブルに置かれた、シャーロッテがまだ男の子だった当時の可愛らしい写真に自分の真珠のネックレスを掛けて行く。そうして、客席に写真への喚起を促した後、静かに語られる、写真のエピソードが、シャーロッテの人生を一気に私達に近づける、素敵な演出効果になっていました。
    結局、長年に亘ってインタビューしたダグ・フライト自身も、彼女が語った自伝が真実かどうかはわからなかったのでしょうけれど、でも、シャーロッテが、持てる力を最大限駆使して、激動のドイツを生き抜いたのだという事実は、巧みな演出により、「アバター」のような、実際には見えない3D眼鏡を、心に掛けて観たような感覚で、鮮明にシャーロッテの人生を追体験した気分になれました。

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    2010/02/16 22:42

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