満足度★★★★★
燐光群の面目躍如
まず会場に入った瞬間、へえ!吉祥寺シアターってこんな使い方もできるんだ!と何だか秘密クラブに案内されたような高揚感。
「ハシムラ東郷」の時のように、今回の芝居も、何人もが一人の人物を演じる形式ながら、実際何人もいた「ハシムラ東郷」と違って、一人のシャーロッテを16人が代わる代わる演じるこの形式は、今回は、シャーロッテの実像がわからないというこの作品のテーマとも重なって、秀逸な手法だったと思う。
それに、久しぶりに、燐光群の役者さん達が、生き生きと役を演じている様が嬉しかった。
時々、坂手さんのオリジナル脚本は、役者さんが、坂手さんのメッセージの代弁者に過ぎないと感じられて、演じ手としての達成感はあるだろうか?と、余計な心配が頭をかすめるけれど、今回は、同じ役やその他の役を、皆さんがそれぞれ工夫して役作りされている感じで、何やかや言いつつ燐光群ファンの私には、気持ちの良いステージでした。
他の国の公演と比較できないけれど、、この舞台における坂手演出は、なかなか他にはないオリジナリテイを感じて、やはり坂手さんは、二人といない演劇界の異才かもしれないと、思いを新たにしました。