『F』 公演情報 青年団リンク 二騎の会「 『F』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    『F』Girl's ver.リーディングを観た!
    観なければ良かった、と激しく後悔。前回観た端田と多田の二人芝居が切ない感情を表現した舞台だった。だからこちらも観ていて息苦しくなったほどだった。
    ところが今回の後藤麻美&長野 海バージョンはワタクシが期待していた感情を重い蓋のようなもので封じ込める強引さがあった。それでもまだ出たがっている想いというしっぽを、「これが最後の最後!」なんて笑いながらいとも簡単に押さえてしまったのだった。

    以下はネタばれBOXにて。

    ネタバレBOX

    脚本は同じ。しかし、めちゃくちゃだった。よくもまあ、これほどまでにふざけた言いあいが出来るものだと、二人の表情やセリフの語尾を反芻したほどだ。「小さい秋」を歌う場面でも、がっかり。音程が外れてて、しかも何の感情移入もない歌い方だ。薄っぺら。そして胸の奥が急に冷え冷えして、今までたしかにそこにあった何かがすうっと消えうせてしまう、そんな感じだった。そして落胆した。
    ワタクシはもっと違うリーディングを観たかったのだ。違うふうに聞きたかったのだ。

    ここでのアンドロイドはAを「あんた」と呼ぶ。そして自分を「あたい」
    それだけで、はすっぱな感じだ。そして後藤麻美の声がやたら大きくてふざけてて、悲しい場面でもにやついてて、情緒もへったくりもない。要するに品がなく不躾でぶっきらぼうに元気すぎるアンドロイドだ。アンドロイドというより、ガンギャルみたい。そしてAも悲しいセリフの場面なのに、そんなギャルアンドロイドと視線を合わすたびに可笑しそうに笑う・・・笑う・・・笑う。
    だから、Aが死んでもアンドロイドは「ふぅ~~ん。」って感じなのだ。それを受けて、ワタクシも「ふぅ~~ん。」って感じだ。つまり、Aに同情すら湧かないのだ。

    キャラクターの設定が違うって思った。こんな情景は観たくはなかった。息をのむほどの感情のブレが欲しい。不意打ちのような絶望が欲しかったのだ。ボクシングの世界でいきなりとび蹴りを見舞われたみたいな衝撃。そして友情。・・・だから違う!、違う!って悲鳴をあげたかったけれど、その感情の輪はぎこちなくほどけて、なんだか空しかった。それで劇場から外に出て、雪をみて、ますます空しくなったのだ。

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    2010/02/04 13:24

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