ゆらぎり【脚本:成島秀和(こゆび侍)×演出:古川貴義(箱庭円舞曲)】 公演情報 FOSSETTE×feblabo×エビス駅前バー「ゆらぎり【脚本:成島秀和(こゆび侍)×演出:古川貴義(箱庭円舞曲)】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    剥ぎだされ感のすごさ
    舞台の狭さを武器にして、
    関係性の晒される部分と隠される部分が、
    絶妙に編みこまれていく。

    そこに流れる時間から次第に醸し出される、
    剥ぎだされるような感覚に息を呑みました

    ネタバレBOX

    化粧品会社に勤めるとある男性の物語。

    エビス駅前バーの小さな空間を逆手にとって、
    いくつものシーンを同じ場所に重ねて
    彼と彼を取り巻く人々を会話を中心に描いていきます。

    見えるものと見えないもの、
    舞台に透明なパーテーションが巧みに出し入れされるような感覚。
    その囲いの中で、
    八方美人のように周りとの関係をやりくりして
    自分の立場を作る男・・・。
    さらに男には見えない周囲の会話。

    うまくやっているつもりの彼なのですが・・・。

    彼の癖、携帯電話のメッセージ、
    チャイナブルーというライチ系のカクテル・・・。
    それらのアイテムが、シーンに組み入れられて
    まるで魔法のように
    それぞれのキャラクターの
    虚実が剥ぎだされていきます。
    個々のキャラクターの内も外も
    実は観る者にとってフェアというか
    あるがままに描かれていて、
    にもかかわらず、その姿や変化が、
    想像しえないような色で浮かび上がってくるのです。

    役者達ののタイトなスペースでの濃縮された演技、
    しなやかで絶妙なシーンのつながり。
    武藤氏原案のもと
    成島作劇と古川演出のそれぞれが目を見開くほどに秀逸。
    凋落していく男の姿が
    ぞくっとするほどリアルな感覚とともに浮かび上がって・・・。

    終わってみれば
    一時間強のお芝居の
    印象の強さに愕然としたことでした。

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    2010/01/28 06:48

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