童話の絵本をめくるような感じで、カラフルな衣裳と美術の力を借りつつ、気持ちのいい曲に乗って楽しいダンスが次々と展開する。イデビアン・クルーとか今回のキノコの公演なんかを見ていると、作品中に使われた曲の名前をプログラムに列記して教えてほしいと思うことがたびたびある。 知っている曲でもオリジナルとは別のミュージシャンが演奏していたりする。「fly me to the moon」は最初のナンシー・ウィルソンだけはウチにCDがあるのでわかったが、ほかはいろんなミュージシャンによる同名曲の演奏を繋げていたし、グローバー・ワシントンjr.の「just the two of us」やローリング・ストーンズの「miss you」も演奏しているのは別グループだった。他にも小唄だか端唄だか知らないが邦楽に乗って伊藤が踊ったし、中川も誰が歌っているのかは知らないが「湊の見える丘」に乗ってソロを踊った。バレエ音楽も途中で聞こえてきたが、あれは白鳥の湖だったかもしれない。ダンスの動きとしてはこれまでのキノコとそれほど変わらなかったと思うが、背景に使った映像が非常に効果的で、あれはこれまでになかったものかもしれない。スイスの高原めいたものから、都会のビル群まで。