満足度★★★
戦国の世,合戦,武将たちより,テーマである肝心の"按針"の心を描いてほしかった.
日本に流れ着き大名になったイギリス人、三浦按針の半生を
戦国時代を背景に描く。
この題材と、日英両スタッフ・キャストの共同作業が
非常に面白い。
家康の市村さんはさすがの貫録。
国外に夢をはせながらも果たせず、鷹匠と鷹の関係の
ごとく、漂着した英国人を手元に留める。
按針は、イギリスと日本に心引き裂かれているが、
家康は武将である立場と、冒険心に引き裂かれている。
そしてキリシタンである日本人青年ドメニコの藤原さんは、
キリシタンと武士の間で、心が引き裂かれる。
戦国時代の有名な武将や戦いが次々に登場して面白いのですが、
そういう派手で目立つ部分ばかりに引っ張られすぎたようです。
(外国人の方が描きたい、作りたいのはそういう部分かもしれないが。)
本当は、肝心の「按針」についてもっとウェイトを置いて
ほしかった。
ところどころ按針のセリフに現れる、彼が感じた日本の良さ
を見せてほしかった。
たとえばラフカディオ・ハーンの「日本の面影」のように。
心の葛藤や日本の家族、妻、自分の領地・領民・統治など
彼の心情、ごく周囲の人たちとのもっと細かいことを
描くべきではなかったかと思います。