第45回関東高等学校演劇研究大会 公演情報 関東高等学校演劇協議会「第45回関東高等学校演劇研究大会」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    静岡市立商業高等学校「 はなまぼろし」
    脚本は既成のもの。

    ただ自分が思う事をしただけで、誰一人として悪かった訳じゃなく、みんな、それぞれひたむきに誰かを愛していただけなのです。それぞれの想いが交差する物語。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    その昔、貧しい村では間引きと言って子供を水子にさせた時代があった。その水子の霊が見える桜子と学生の恋の物語。

    自分を無能だと卑下していた学生は学校から逃げ出して死のうと考えて死の旅に出る。その途中、満開の桜に魅入られ山に入った学生は美しい桜子に出会う。聞けば桜子は幼いころ、桜塚に捨てられていた女だったという。学生は何故か桜子の前では素直になれる自分がいて、自殺しようと考えていた事までも話してしまう。(究極の恋愛は同情から始まるって言うけれど、どうやら本当のようだ!)
    そんな学生に桜子も恋心を抱くが、桜子にはいいなづけが居たことから、ほのかな恋心を抱いた学生も桜子を諦めてしまう。しかし桜子は学生の子を産みたいと考え、この村に言い伝えられている「好きな人の飲み残しの茶を飲むとややこが宿る」というのを信じて学生が帰郷した後に飲み干してしまう。

    やがて、桜子はいいなづけの作蔵と結婚する前に子供が生まれてしまうが、作蔵は俺の子だと桜子を庇ってまでも結婚する。しかし、学生が元気になって村に訪れると、桜子の抱いていたややこは溶けて桜の花びらになってしまう。桜子は自分を淫らな女の血が流れてる、呪われた水子の定めだと言って崩れ落ちるが、やがてこの物語自体が現実の世界で、子供を水子にさせてしまった少女の妄想だと知る。

    現実では少女が両親に付き添われて、「何も心配ないからね。何もなかったんだから・・・。」と理解させようとしているシーンが現れる。少女が愛に敗れ傷ついて慰められている場面で終わる。

    本来なら、きっと頭上から舞い散る桜の花びらが幻想的で美しいはずだったのだと思う。籠の中に花びらを入れすぎたようで、舞台の上でゆっさゆっさ音を立てて花びら入りの籠を揺らしてるのに、はらはら・・・はら・・は・・・、しか落ちてこない。きっととんだ失敗にすごく悔んだろうと思うと言葉がない。

    それでも物語は幻想的で美しく儚いのでした。役者の演技力は秀逸でした。



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    2010/01/19 20:53

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