第45回関東高等学校演劇研究大会 公演情報 関東高等学校演劇協議会「第45回関東高等学校演劇研究大会」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    水海道第二高等学校「 トシドンの放課後」
    優秀校に選ばれました。別室登校している平野歩の教室に不良っぽい森田あかねが同席することになる。これをきっかけに友情が芽生えていく人間劇。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    優秀で真面目な平野歩は学校という集団の中では合わない。緊張してお腹が痛くなったりストレスになったりしてしまう。教室に行くことが出来ない歩は別室登校して、一人で勉強していたのだった。そこに、彼の家でイチャツイテいたのを彼の父親にチクられたあかねは反省文を書くという理由で、この教室での謹慎を担任から命じられたのだった。

    歩とあかねの対照的なナリと言葉。この二人の掛け合いが絶妙で秀逸だった。赤く染めた髪と乱れた服装のあかねは、当然のように校長先生はじめ母親からも不良という烙印を押されてしまう。大人の世界ってそういうものだ。なんだかんだいっても、見た目は大切なのだ。大人になってもこういった状況はかわらないんだよね~。

    一方、まじめ過ぎて集団生活に馴染めない歩はあかねの反省文を書いてやったり手伝ったりしながら、友情が芽生えていく。しかし、長い間、別室登校していた歩は進級できなかったことから、自分自身を追い詰めてしまう。「「十年後の私は相変わらず一人ぼっちで部屋で読書をしてるんだ。ずっと一人で社会に馴染めず、お腹が痛くなって苦しんでるんだと思う。こんな私なんか死んじゃえばいいんだ。生きてたって苦しいだけなんだ。」と絶望の淵に立たされてうずくまる。・・・、もうこの場面は号泣でした。真面目でガラスの心を持った歩の様子は本当に苦しげで観ていて痛々しい。思春期の、受験や見えない未来や不安や雑多なストレスをかかえた時期の心理がこちらまで伝わってきて、その描写にヤラレル。とめどもなく溢れる涙。そしてそんな状況下、バカ丸出しで不良っぽいあかねは「トシどん」のお面を被って歩を励ます。ここでもヤラレル。泣く。

    結局薬局、ヤラレッパナシ!この二人の生徒を蔭ながら支える女教師。
    ああ、やっぱ胸にずん!ときて震える芝居は素晴らしい!
    キャストのそれぞれのキャラクターの配置も秀逸でした。


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    2010/01/17 23:44

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