満足度★★★
時代物の難しさを感じました
日本人ならまだしも、外国の作家がよくぞ、ここまで、ストーリーをまとめ上げたとまず感心しましたが、本来なら、大河ドラマで1年掛けて描くような、長年に亘る物語なので、どうしても、歴史の流れを語る必要があり、その分、内容が薄まった感は否めません。
家康と、按針と、ドメニコと、主要人物が3人いるので、誰か一人を主軸に置いた、ストーリー展開の方がよかったように思いました。
それに、関が原の戦い~大阪夏の陣までの経緯や、プロテスタントとカトリックの宗派の違いによる壮絶な争い等について、観客は予備知識があるという前提に立った筋運びなので、歴史に精通していない人が、どれだけ理解できるだろうかと、やや心配にもなりました。歴史時代物の、上演の難しさを感じます。
3人の中では、按針を演じたオーウェンさんの演技が飛びぬけて秀逸でした。
右も左もわからず、家康に謁見した時から、だんだん日本人武士として、生きていくに至る、心身の変化の体現が見事でした。
そして、またまた名子役さんに大当たり!秀頼と国松の二役をやった子役さんに泣かされました。
全体的に、セットの転換が、素人仕事的だったり、衣装がしょぼい感があったり、重厚さに欠けたのが、残念でした。
小学生の時、「徳川家康」が愛読書だったので、小林勝也さんの本多正純が、まさに私のイメージ通りで、嬉しくなりました。